欧州サムライ戦記BACK NUMBER
今季公式戦に全試合連続出場中!
なぜ長友はインテルで重用される?
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2012/09/28 11:45
シエナ戦の敗北時、『ガゼッタ』紙は「その献身的プレーは満点に値する。すべてのボールに対して人生を懸けたかのようにアタックしていった長友」と掲載。ただし、本拠地サン・シーロで勝てないという結果に対して、厳しい評価を与えていた。
ビッグクラブでは肉体だけでなく精神力の強靭さも必要。
連戦の前にはW杯予選のために日本との往復もあった。さすがに一言ぐらい疲れたと漏らしてもおかしくないのに、キエーボ戦後の長友の声はむしろ弾んでいた。
「いつものサイドバックより高めのポジションに変わったので、アシストや自分がゴールを取るという仕事をやっていきたい。いつも以上にそう思う。(ミラノ・ダービーを前に)まずは週末のフィオレンティーナ戦、それから次のEL。日曜の試合にむけて、しっかりコンディションを整えていきたい」
かかるプレッシャーが段違いのビッグクラブでは、肉体の耐久性も大事だが、むしろ苦しい時期を乗り切るための強靭な精神力が重要だ。
シエナ戦でもキエーボ戦でも、カッサーノやペレイラといった前線で絡む選手に、大きなジェスチャーで攻撃のアイデアを提案し、覇気を見せる長友がいた。今やインテルの主力としての自覚に満ちる彼を10月早々のミラノ・ダービー、そして日本代表の欧州遠征が待っている。