野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
二軍でも勝てない斎藤佑樹に対して、
鎌ケ谷のファンが語る“複雑な感情”。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2012/08/21 10:31
二軍の五十嵐信一監督は「個人的には追試という感じ」と斎藤がまだ昇格には早いことをコメント。次回の登板は25~26日のヤクルト2連戦(鎌ケ谷)が予定されている。
栗山監督は……「結果を残さない以上昇格はない」。
二軍に落ちてから3試合連続で結果を残すことができず、代わりに昇格した中村勝が結果を残した今、斎藤佑樹の一軍復帰の目途はまったく立っていない。栗山監督が「結果を残さない以上昇格はない」と明言している以上、周囲を納得させるだけの結果を残して這い上がるしかないのが現状だ。
だが、二軍暮らしも悪いこととは思わない。
鎌ケ谷という場所は、二軍オリジナルのイカした応援歌が存在するほど野球熱が高く、目の肥えた厳しくも温かい野球ファンが集う。スター街道まっしぐら過ぎてすっ飛ばしてしまった、ここのファンに認められるだけのことができれば、それは後々大きな財産になるに違いない。
「二軍に落ちたのも意味があってのことだと思うし、この経験を無駄にしないようにしたい」
戸田での登板後に斎藤が話していたように、この夏はいろんな意味で正念場だ。シーズン後半か、それともずっと先かはわからないが、斎藤佑樹が真の持っている男になるために必要な、鎌ケ谷における試練の夏は続く。