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阪神タイガースが暗黒時代に逆戻り。
和田監督に大英断を期待できるか!? 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byHideki Sugiyama

posted2012/08/08 13:05

阪神タイガースが暗黒時代に逆戻り。和田監督に大英断を期待できるか!?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

7月に入り、坂井信也オーナー、南信男球団社長と相次いでチーム再建策を練るべくトップ会談を続けている和田監督なのだが……。

 暗黒時代の記憶が蘇る。

 シーズン序盤は勝率5割をキープしていた。しかし、交流戦を境に他チームから勝ち星を搾取されるのが目立つようになる。

 6月は巨人、中日と上位チームが主だった黒星も、7月に入るとAクラス争いを演じるチーム、はたまた「ダントツ」と目されている最下位チームにすら勝てなくなった。

 8月5日には負債が15に到達した。封印されていたはずの1990年代・暗黒時代の亡霊が、今、あざ笑うかのように再び阪神の周辺を漂い始めている。

 35勝50敗10分の5位(数字はすべて8月7日現在)。2003年の優勝以降、強さを顕示していたチームの現実である。

主力選手の離脱に不調……攻撃陣に続く負の連鎖。

 思えば今季、その亡霊は様々な形で阪神に不幸をもたらしていた。

 右肘を故障している城島健司に代わり正捕手を務めることとなった藤井彰人が、4月10日の広島戦で顔面を骨折し離脱。ファーストを守っていた城島は、5月に左でん部を痛め一軍登録を抹消された。猛虎打線復活のキーマンだったマートンは、3割をマークしていたそれまでの2年間が嘘だったかのように沈黙し、本塁打量産を期待されていたブラゼルも、7月8日を最後にフィールドから姿を消した。

 湿らせたバットを片手にうな垂れる同朋を横目に見ながら、我こそは、と躍起になる主力選手たち。彼らもまた、どうにも本来の力を発揮できずにいる。

 チーム打率2割3分7厘、得点276、本塁打34、盗塁30。攻撃に関わる数字は軒並みリーグ最下位を記録する。それでは、リーグ3位の防御率2.83を誇る投手陣も浮かばれないというものだ。

 阪神の負の連鎖は、まるで、大きなうねりとなって攻撃陣の欠点を浮き彫りにしているようだ。

【次ページ】 打撃成績が悪いまま、昨季同様「打ち勝つ野球」を標榜!?

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