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関塚ジャパン、金メダルに王手を!
永井を欠いてメキシコをどう攻略する? 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byKaoru Watanabe/JMPA

posted2012/08/07 12:45

関塚ジャパン、金メダルに王手を!永井を欠いてメキシコをどう攻略する?<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe/JMPA

エジプト戦では、清武(写真左)のパスに反応し、スピードを生かして先制点を決めた永井。日本が誇るスピードスターは得点直後に負傷、メキシコ戦の出場が危ぶまれている。

「メキシコのサイドアタックは今大会屈指」と宇佐美。

 システムは、日本と同じ4-2-3-1だ。パスワークでは、スペインには及ばないものの、右MFのアキノ、左MFのファビアン、トップ下のドス・サントスが絡むサイドアタックの破壊力は凄まじく、運動量もスペインをはるかに凌ぐ。また、彼ら以上に注意しなければならないのが右サイドバックのイスラエル・ヒメネスだ。この選手が攻撃の起点になっていることが多く、DFの背後に精度の高い、嫌なボールを入れてくる。「メキシコのサイドアタックは、今大会屈指」と、宇佐美貴史は分析しているが、このサイドをどう封じるかが、メキシコ攻略の大きなポイントになるだろう。

 そのメキシコから、どう点を取るのか。

 180センチを超える選手がセンターバックのレジェスとボランチのエンリケスしかいないので、サイド攻撃がこれまで以上に重要になる。メキシコは、準々決勝のセネガル戦でもサイドを突破され、チャンスを作られていた。日本もサイドバックと攻撃的MFが連係し、サイドをえぐってクロスを上げればチャンスが生まれるだろう。酒井宏樹のアーリークロスも相手にはかなり利きそうだ。

 ただ、いずれもカウンターがベースになる。メキシコは、日本と同じく組織で守備をしているので穴が少ない。相手が守備網を敷いた中、遅攻でゴールを奪うのは、非常に難しいだろう。

勝機は、メキシコが苦手としているセットプレーにあり!?

 そこで重要になってくるのが、セットプレーだ。セネガルにもセットプレーからゴールを奪われていたように、マークがずれやすく、跳ね返す高さがない。ピンポイントはもちろん、ゾーン狙いでも吉田麻也や鈴木大輔らのヘッドなら十分、ジャストミートできる。幸い、清武と扇原貴宏のキックの精度が上がりつつある。ショートコーナーも織り交ぜて、得点に結び付けたい。

 先制点が取れれば、今の日本は非常に安定した戦いができる。ボールを失っても自ら取り返し、得点に結びつけたエジプト戦のように、守備から攻撃、攻撃から守備への素早い切り替えを90分、絶え間なく継続していくことが出来ている。

 加えて、「90分間、前にプレッシャーをかけ続けるのではなく、エジプト戦は前にプレスを掛ける時、行かないでしっかり守る時というメリハリがつけられるようになってきた」と、鈴木が言うように、時間帯や状況によって守備のやり方にメリハリを付けられるようになってきた。暑さや連戦における疲労を考慮した戦いも出来るようになっており、日本はチームとして非常に成長しているのだ。

【次ページ】 準優勝で世界を驚かせた'99年ワールドユースのように。

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