ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
関塚ジャパン、金メダルに王手を!
永井を欠いてメキシコをどう攻略する?
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byKaoru Watanabe/JMPA
posted2012/08/07 12:45
エジプト戦では、清武(写真左)のパスに反応し、スピードを生かして先制点を決めた永井。日本が誇るスピードスターは得点直後に負傷、メキシコ戦の出場が危ぶまれている。
準々決勝のエジプト戦では、得点力不足など多くの懸念を払拭し、今大会で最も素晴らしい試合をしたU-23日本代表。準決勝のメキシコ戦もその勢いのまま行きたいところだが、ベストメンバーが組めるかどうか微妙な情勢だ。
エジプト戦で先制ゴールを決めた後、左太ももを負傷し、途中交代した永井謙佑が前日の全体練習を回避していたのである。
このチームは、永井の1トップ構想が軸になって、ここまで快進撃を続けてきた。攻撃では、持ち前の俊足を活かし、清武弘嗣とのホットラインで2ゴールを挙げている。攻撃での貢献度は、ゴールだけではなく、存在自体が相手の脅威になっているという意味でも大きい。相手チームは永井の足に神経質になり、相当の緊張を強いられている。また、守備では、ファーストチェックの役割を担い、ボールを追っている。この永井の献身的な守備があるからこそ後ろの選手たちも効率よく守れているのだ。
永井不在の場合、1トップは大津か杉本か。
チーム戦術の核となる選手がいなくなると、どうなるのか。エジプト戦、永井が交代した直後、DFラインが下がり、相手にスペースを与えて押し込まれた。どう見ても選手たちは動揺を隠せなかったのである。
永井不在となった場合、日本は戦術的にマイナーチェンジが求められる。基本的に守備から入るのは変らないが、攻撃はカウンターや一発狙いではなく、サイドから少し人数をかけていくことが必要になる。当然、1トップに入る選手も再考しなければならない。小柄なメキシコに対抗するために杉本健勇を起用するのか、それとも大津祐樹でいくのか。これまでのスタイルを崩さないのであれば大津だが、対メキシコということを考えると杉本でもいい。関塚監督としては悩みどころだろう。
メキシコとは大会直前に親善試合を行い、2-1で勝っているが、今回はまったく違う相手と考えるべきだろう。試合を見た感じでは、トゥーロン国際大会で優勝したときのメキシコに戻りつつある。