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若返りで躍進を予感させるシャルケ。
3季目を迎えた内田が感じる手ごたえ。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph bypicture alliance/AFLO
posted2012/08/05 08:01
内田とともにランニングをするホルトビー(左)。リバプールが獲得を狙っているという報道も。本人はイングランドとドイツの二重国籍で将来的にはプレミアでのプレーを希望している。
若き10番に芽生えはじめたチームリーダーの自覚。
「ラウールのようにプレーするつもりはない。ボクはレビス・ホルトビー。わが道を行くよ!」とラウールの代役を担うのはやんわりと否定しているが、その言葉からはポジティブな様子が伝わってくる。
「ボクはいま、すごく良い感じでサッカーに取り組めているんだ」
実際、今季に入ってからはピッチの上でも堂々とした振る舞いが目立つようになった。チームが集中力を欠いた時間帯には手を叩き、スタンドにも聞こえるような大きな声で周囲を鼓舞する。ハーフタイムなどには、チームメイトに寄っていき、一言、二言、声をかけている。
昨シーズンまで在籍していたラウールは、機を見ては、簡単な英語を使ってチームメイトに指示を送っていた。内田も「ちょくちょく、アドバイスをくれるんだよね」と、その存在の大きさを口にしていたことを思い出す。
まだ21歳のホルトビーだが、ピッチの内外でチームリーダーへの道を歩み始めているようだ。
3季目の内田は「去年と比べても、はるかに動けている」。
シャルケでの3シーズン目を迎えた内田は、シーズン中盤戦まで定位置を確保できなかった昨季とは異なり、今季は右サイドバックのレギュラーとして期待されている。ファルファンやヘベデスとともに2シーズン前のチャンピオンズリーグ(CL)の経験を伝えていかないといけない。内田はこのCLで、グループリーグ初戦こそ負傷のために欠場したものの、第2節から準決勝までの全11試合にフル出場した。当時は、CLでベスト4まで進んだものの、リーグ戦では低迷。今季はリーグでも、CLでも結果を残すつもりだ。
「去年は、(シーズン序盤戦でコンディションが)メチャクチャ悪かった。(監督から指示されていたこともあり、オフの間にも自主トレを)結構やったから、きつかった(笑)。でも、去年と比べても、はるかに動けているね」
内田は確かな手ごたえを得ている。