20年前の大勝利の再現を待ちわびるサポーターたち。

　19歳ながら“ピルロ2世”の異名をとる天才司令塔MFベッラッティを巡っては、ユベントスやナポリなどの激しい争奪戦が続いており、パリSGからは1500万ユーロもの値がつけられたともされている。

　やはりクラブ生え抜きのCBカプアーノは、Ｕ-21イタリア代表で守備の要を務め、来夏以降の市場の目玉商品となっている。

　ローマと共同保有する右ウイングのFWカプラーリは167cmと小兵ながら、18歳にしてすでにセリエAでもチャンピオンズリーグでもプレー経験がある注目株。

　本拠地「アドリアティコ」は明日のアズーリたちの棲家、若い才能の宝庫なのだ。

　19年前、MFアッレグリ（現ミラン監督）などのゴールによって、ユベントスを5－1で粉砕した大勝利を彼らは知らない。その後、チームは降格してしまったが、ペスカーラの人たちは20年間待つことを厭わなかった。

　ただし、今年の夏は海へ行く前にやることがある。座席数2万ちょっとの「アドリアティコ」年間シート予約を急ぐに越したことはない。20年分の攻撃サッカーが炸裂するのはもうすぐだ。