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ヴォルフスブルク残留を決めた
長谷部誠には“永遠の課題”が。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2010/05/11 10:30
今季前半は怪我で出遅れたもののリーグ戦24試合に出場(第33節現在)。CLではグループリーグ6試合全試合出場を果たした
長谷部にあとひとつ必要はものはいったいなんなのか?
では、これからの長谷部に必要なものは何なのか。クラブとの契約交渉の中で、ヘーネスGMは1つだけ注文をつけた。
「もっと、ゴール前に入っていけ。君に必要なのは、あとはTorgefährlicだけなんだ!」
Torgefährlic――ゴールを表すTorと、危険性を表すgefährlicが合わさって出来た言葉である。
つまり、相手ゴールを脅かすようなシュートや、クロスボールへ飛びこむシーンを増やしていく必要があるということだ。
「自分で意識していかないとゴールは決められない。
契約延長にむけての話し合いが始まったころ、長谷部は自分が成長出来る環境があるかどうかが大切だと語っていた。実際、ヴォルフスブルクにはその環境があり、そこで確かな成長を遂げてきた。そして、今、このクラブでもう一つ上のレベルに到達するためにはどうしいたよいのか。彼にははっきりと見え始めている。
「自分で意識していかないとゴールは決められないものだと思うし。正直、それは自分の中でも、永遠の課題でもあるんだけどね。ゴール前に入っていく回数とか、そういうのは自分の中ではちょっとずつ増やしてはいるんですけど、あとは、それを続けていくだけですよ」
およそ半年にわたって頭の片隅から離れなかった去就についての問題は、一つの結末を見た。去就について悩みながらも、少しずつ確実に結果を残してきたのが今季の長谷部だ。そして今、彼の頭の中は非常にクリアな状態にある。そんな中で迎える南アフリカでのW杯。彼は一体、どんなプレーを見せてくれるのだろうか。