F1ピットストップBACK NUMBER
可夢偉が10位に終わった3つの理由。
不運を克服し、日本人2人目の快挙!
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byMamoru Atsuta
posted2012/04/19 10:30
F1中国GPのスターティンググリッド。左の列の2番目が可夢偉のマシンで、その前方から右リアにかけてタイヤ痕のようなオイルの跡が確認できる。
中嶋悟以来のファステストラップで表彰台が見えてきた!
日本人ドライバーのファステストラップは、1989年オーストラリアGPの中嶋悟以来、日本人として2人目の快挙だった。23年前に中嶋が記録したときはウエットコンディションという特殊な状況だったが、可夢偉はそれを今回、ドライ路面で成し遂げた。つまり、ザウバーC31と小林可夢偉には、トップチームと互角に渡り合えるだけのスピードが備わっている。あとはそれをレースでいかに発揮するか。
「レースは1人で走っているわけではないので、いかに自分たちが持っているスピードを活かす戦略を立てられるかが大切」だと語る可夢偉。それは1周目に可夢偉の後方9番手に位置しながら、可夢偉よりも3周早く1回目のピットインを行い、可夢偉と同じ3ストップ作戦でマーク・ウェバーを4位でフィニッシュさせたレッドブルの作戦を讃えているのだろう。
表彰台に近づいて初めて見える景色がある。いま、可夢偉の目には、どんな光景が映っているのだろうか。