プレミアリーグの時間BACK NUMBER
ついにクラブの身売りが表面化。
散々なリバプールを翻弄する「運命」。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAction Images/AFLO
posted2010/04/29 08:00
ファンが嫌っていたアメリカ人オーナーがついにクラブを手放すことに。しかし、新しいオーナーがファンが納得できる人物とも限らない……
ELの出場資格を失う!? “TSTDMS”の結末や、いかに。
“TSTDMS”症に悩むリバプールには、今後も開幕当初には予想だにしなかった事態が続きかねない。ファンには申し訳ないが、いっそのこと、欧州への出場権を完全に逃すという結末はどうだろうか? 4月19日のウェストハム戦(3-0)後、ベニテスが「最後まで分からないさ」と言ったように、リバプールは他力本願での4位を諦めてはいない。しかし、中途半端な好成績は強欲な現オーナーをその気にさせるだけだ。逆に、来シーズンはCLどころかELにも出場できないとなれば、さらなる借金地獄と非難の渦の中で、両名は希望額を下げてでも売却を優先してくれるかもしれない。
リバプールは、5月の2試合にチェルシー戦とハル戦を残している。前者は優勝を懸けた勝ちにくる。後者は降格確定後も暖かいファンのためにも、最後のホームゲームで意地を見せたいはずだ。リバプールが、一時は降格圏内に落ちていた地元の宿敵エバートンに土壇場で抜かれて8位に終わる──。理解に苦しむシーズンには、「まさか」の幕切れの可能性すら残されている。