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冬季五輪での過去の栄光が蘇るか!?
渡部暁斗のノルディック複合初優勝。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2012/02/15 10:30
ノルディック複合で初優勝を果たした、W杯総合ランク3位の渡部暁斗(中央)。日本勢の複合個人優勝は荻原健司、高橋大斗、河野孝典に続いて4人目で、2004年3月に2連勝した高橋大斗以来、日本勢8季ぶりの快挙。また、前半飛躍は一人だけ130メートルを越え、W杯55戦目で後半距離をトップで迎えるのは初めて
間近に見た長野五輪で抱いた、小学3年生の大志。
その一人に、渡部もいた。
長野県白馬村に生まれ育った渡部は、小学3年生のときに、長野五輪を間近で見た。そして「自分もオリンピックへ」と志すようになった。
その後、ジュニアの頃から頭角を現した渡部は、2006年のトリノ五輪に、高校2年生で出場する。本人も驚く選出だったが、それだけ将来性を見越してのことだった。
そのトリノ五輪では個人スプリントで19位に終わったが、以降、日本代表メンバーとして転戦を続ける中で少しずつ成長を続けてきた。
僅差で入賞を逃したバンクーバー五輪の悔しさをばねに。
2009年2月には、チェコ・リベレツでの世界選手権の団体のメンバーとして金メダルを獲得。
個人戦でも、2010年1月のオーストリア・ゼーフェルトでのワールドカップで3位に。
その翌月のバンクーバー五輪ではラージヒル個人で9位とひと桁の順位を残した。この試合では、ゴール間近で抜かれてわずかの差で入賞を逃した。
「(8位と)0.6秒差は近いようで、遠い感じです。1人になっても走れる選手になりたいですし、メダルを狙う選手になるように、強化していきたいです」
試合後、悔しさをにじませて語ったが、その思いが、飛躍のばねになった。
昨年の4月、北野建設に入社したことも成長を促した要因である。北野建設には、ジャンプの日本代表である竹内択、そして日本代表ヘッドコーチを務める横川朝治氏がいる。彼らと接することで、不安定だったジャンプを修正することができたのだ。