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新戦力の補強と2大激戦区。
~今季のMLBに漂う混戦の気配~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byAFLO
posted2012/02/10 12:15
レンジャーズの浮沈のカギは、“1000万ドル男”ダルビッシュ有が握る! 左は、レンジャーズの主砲ジョシュ・ハミルトン。投打の注目選手が並んで握手をした貴重なツーショット
ナショナルズとブレーヴスの戦力が整ってくれば……。
前者は若手の先発ジオ・ゴンザレス(それにしても、今季は有望な若手投手の移籍が多い。ゴンザレス、ピネダ、マット・レイトス、トレヴァー・ケイヒル、クリス・ヴォルスタッド……全員が23歳から26歳の間だ)と老練の救援ブラッド・リッジを獲得したし、後者では背番号1を付ける新人遊撃手タイラー・パスターニッキーに熱い視線が集まっている。これで、スティーヴン・ストラスバーグやジェイソン・ヘイワードといった大器が、壁を破ってもうひと皮剥けるようなら、この2球団は侮りがたい勢力としてペナント争いに顔を出してくるかもしれない。
とまあそんなわけで、2012年の大リーグはワイルドカードが2枚選ばれる「元年」にふさわしく、伏兵の多い混戦のシーズンを迎えそうな気配だ。
有力選手の移動はもちろん大きな要素なのだが、優劣の分かれ目は若手選手の成長如何にかかっているのではないか。このあたりは、開幕が近づいたころに、もう一度チェックしてみたい。