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己のスタイルを貫き通した錦織圭。
アンディ・マリーとの激戦の内幕。
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byGetty Images
posted2012/01/26 11:45
試合中、何度かラケットを放り、靴ひもを結び直し、空を見上げ、気持ちの切り替えを図っていた錦織圭。あと少し……が積み重なってストレート負けにつながった
「トップの選手に勝つには足りないところが沢山ある」
今はその現実と向き合うしかない。
しかし、四大大会の準々決勝という舞台でBIG4の一角と戦ったことは、得難い経験となったはずだ。
「トップの選手に勝つには足りないところが沢山あると教えられました」と錦織。
コートサイドで観戦した父親の清志さんも、同じ言葉を口にした。「足りないところが明確になった。これで次のステップに入っていける。それが今日のお宝」。
錦織は、精根尽き果てた、といった様子で敗戦の苦みを噛みしめていた。
「マリーのような選手に勝てるようになるには、もっと強くならないといけない」
この苦みは明日への糧となるに違いない。