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ソフトバンクと巨人が浮き彫りにした、
変わりゆく球団経営とオーナー像。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byHideki Sugiyama

posted2011/11/28 10:30

ソフトバンクと巨人が浮き彫りにした、変わりゆく球団経営とオーナー像。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

優勝決定後、選手ひとりひとりと抱き合って喜んだ孫正義球団オーナー。2004年に福岡ダイエーホークスと福岡ドーム(現ヤフードーム)をダイエーから買収して以降、初めての日本一となった

巨人の「泥仕合」の本質は経営思想の衝突だった!?

 それに引き換え、巨人は「コンプライアンス」問題で味噌をつけた。清武代表の解任で幕引きがされたかに見えるが、ダメージは残る。

 日本型の球団経営は、オーナー、ジェネラル・マネージャー(現場の総責任者)、監督(フィールド上の現場監督)というアメリカ型の縦の分業制の視点から見ると、まったく不可解な構造になっている。

 清武元代表は、ヤンキースのスカウトシステムを取り入れるなど、アメリカ型の発想を取り入れるのに積極的だったから、縦の分業を確立したかったのだと思う。そこに「昭和型」の発想が横入りして……つまり、清武氏の解任劇は、昭和から続く旧来の経営発想と、アメリカ型の球団経営の発想の衝突だったと思う。

 清武氏は、議論のレベルをそこまで高めたかったはずだが、日本のメディアもこうした読み取り方はしないので、結局は「泥仕合」にとどまっている。それでは、不毛だ。

親会社の企業風土に左右される日本の球団経営。

 ソフトバンク、巨人のケースを見てくると、親会社の風土が球団経営にも大きな影響を与えている。

 ソフトバンクの場合は、雇用者と被雇用者の距離が近い。

 一方、巨人の場合は明文化されていない縦の構図があり、天のひと声が決定を変えたりすることが透けて見える。

 いまや日本プロ野球界では、4分の1がいわゆるIT系の企業が親会社となろうとしている。日本の花形産業の変遷とともに、プロ野球の経営も大きく変わろうとしている。

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