ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER
明暗を分けた「今季最初の決勝戦」。
バイエルンの失速で歴史が変わる!?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2011/11/25 10:30
「以前のコンディションを取り戻し、チームにフィットするためには試合に出る必要があった。ただ、ベストまでにはまだ時間がかかる」と試合後に話したロッベン(左)
「今シーズン最初の決勝戦」
メディアによってそう名付けられたバイエルン対ドルトムントの一戦は、今季のリーグの行方をさらにスリリングにすることになった。
興味深かったのは、試合前に行なわれた『キッカー』誌のアンケート結果だ。
ドルトムントの勝利を予想 49.6%
バイエルンの勝利を予想 34.7%
引き分けを予想 15.7%
全国で売られている同誌には特別にドルトムントのファンが多いわけではないし、この一戦はバイエルンのホームで行なわれることになっていた。普通に考えれば、バイエルンの勝利を予想する声が大きくても不思議ではない。
それでもドルトムントの勝利を予想する声が優勢だった理由は単純だ。ドルトムントが一気に調子をあげつつあるのに対して、バイエルンが失速しているのが明らかだからだ。
「今シーズン最初の決勝戦」は予想通りの結果に。
果たして、11月19日に行なわれた一戦は、ファンの予想通りの結果となった。
この試合、バイエルンのハインケス監督は奇策に打って出た。11月2日のCLナポリ戦でボランチのシュバインシュタイガーが肩を負傷して、今季前半戦の欠場を余儀なくされたことが関係している。
ここまで結果を残していた中盤の並びを変え、10月1日から戦列を離れていたロッベンをいきなりスタメンで起用したのだ。
今季は2列目に右からミュラー、クロース、リベリーが並ぶ布陣で結果を残していたのだが、この試合では右からロッベン、ミュラー、リベリーの並び。シュバインシュタイガーの代わりにクロースをボランチの位置におき、ゲームメイクを任せた。
だが、この采配が裏目に出た。