「ホークスはCSで勝てるのか？」だけが悩みのファン。

「夏にやる“鷹の祭典”の時はもっとすごい。ヤフードーム周辺だけじゃなく、ＪRの駅員からタクシーの運転手、博多周辺の飲食店の店員まであのブルーのユニフォームを着ているんだから。ヤフードーム周辺だけでなく、福岡、いや九州ぐるみでホークスを応援している雰囲気。これは関東にはない熱だよね」

　そんなことを博多駅周辺で飲食店を営む高校時代の友人から聞いた。学生時代には特定球団のファンがなかった彼もまた福岡の地にきてどっぷりとホークスファンになってしまったクチである。2連覇達成が目前となった現在、九州はさぞかし盛り上がっているのだろう。

「いや。盛り上がっているといえば盛り上がっているんだろうけど、正直言って、今年のペナントはもう勝って当たり前という雰囲気。イベントを企画するディベロッパーとの会議でも、『今年のホークスはどうだろうねぇ……』という話題が度々出るけど、それはシーズンじゃなくて“CSを勝てるのか？”ということが出席者全員の共通認識。毎年この時期になると優勝セールのイベントを企画するんだけど、結局CSで負けて“ありがとうセール”になっちゃってるからね」

　現在、いやもっと前、シーズン前から、多くのホークスファンの基準はペナントにはない。その先にあるCSの突破である。

プレーオフ制導入以来、6度挑んでことごとく負けてきたCS地獄。

「ホークスはCSでは勝てない」

　'04年パ・リーグにプレーオフ制度が導入されて以来、最下位に沈んだ'08年以外6度出場するも負け続け、劇的な逆転でリーグ優勝を果たした昨年でさえ、最後の最後で3位の千葉ロッテに苦杯をなめさせられた。ここ数年のCS敗退で、いつの間にか、ホークスにはそんな嫌なジンクスが生まれてしまった感がある。

　秋の土壇場での勝負弱さ。それはパ・リーグファンの共通認識とも言い換えられる。現在CSを争う球団のファンに話を聞いてみても、戦力的にはホークスが上と認めながらも、こんな答えが聞こえてくる。

「CSに滑り込めばホークスには勝てそうな気がする」（オリックスファン）

「今の最悪のチーム状態じゃ勝てる気がしないし、そろそろホークスにも勝って欲しい気持ちはあるけど、CSのホークスなら何とかなるような気もしないでもない」（日本ハムファン）

「この勢いでCSに行ければ絶対に勝てる」（西武ファン）

　根拠のない自信とはまさにこのこと。この流れはマズイ。ホークスとしてはここ数年で作ってしまった悪い流れを今年、なんとしても断ち切らなければならない。

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