野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
独走ホークス、唯一の不安。
それは“青いユニフォーム”だ!
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/09/28 12:25
リーグ優勝チームのみが使用できる「パ・リーグ チャンピオンフラッグ」をイメージした「チャンピオンブルー」で見事に染め上がったヤフードームのスタンド
今年CSを勝てなかったらファンを辞める!
一方、福岡移転以来のファンである会社員のKさんは、今年CSを勝てなかったらファンを辞めると公言しているようだ。
「今年のホークスは歴代でも最強といえるほどの充実したメンバーが揃った。どこを見ても穴が見当たらないし、ハッキリ言って、シーズンを勝つのは当たり前。でも最大の問題はCS。西武は今の勢いで来られると嫌だ。オリックスも今年は唯一勝ち越せていない。日ハムも楽天も二枚看板がいるでしょ。今年はこれだけゲーム差が離れてしまってギリギリの競り合いをやっていないし、どこが来ても嫌な感じがしますよ。
でも、今年は勝てるような気がする。ていうか、今年勝てなかったらマズイでしょ。杉内も和田も川崎も出ていっちゃうかもしれないし、松中、小久保も年齢的にそろそろ。だから絶対に勝たないといけないんです。CSでは絶対に内川がやってくれるはず。どんな場面でもノープレッシャーでバカみたいにガンガン打ちまくれるでしょ。今までの悪い流れを断ち切れる、こういう選手が必要だったんですよ。この勢いで一度でもCSを乗り越えられれば、日本一はもちろん、本当の黄金時代がくるでしょうね」
リーグ優勝記念の青いユニフォームで……悔しさが蘇る。
不安を言い出したらキリがないが、勝たなければならないという使命感、言葉に違いはあれどCS制覇への強い思いはホークスファン共通だ。東京在住のホークスファン新垣派のAさんからはこんな意見も。
「意識しすぎてヘンに力が入るから勝てないんですよ。いつも通りの野球をやれば勝てるのに、CSになると選手もファンも『勝たなければいけない』という思いが強すぎてガチガチじゃないですか。CSは“クライマツナカシリーズ”かってぐらいだからね。去年もスローガンからして『勝たんといかんばい』とプレッシャー掛けちゃってるし、『鷹の祭典』で着た赤いユニフォームが縁起がいいってCSでもファンが着て応援したけど負けちゃってる。
今年は普通にやればいいんですよ。第一チャンピオンブルーって、ペナントの色でしょ。シーズン優勝してペナントを獲っても、CSで負けたらホークスは意味がない。このユニフォームを見ると去年の悔しさが蘇るだけですよ」
チャンピオンブルーは昨年のパ・リーグチャンピオンの誇り。そして、昨年の悔しさを忘れないための刻印という側面もあるのやもしれない。
様々なファンの思いを乗せつつ、間もなくやってくるこの秋の臥薪嘗胆。ホークスはチャンピオンブルーの魂を胸に7度目の正直を目指して、CS越えに挑む。
「ファンの皆さんの顔が真っ青にならないように、僕らは熱いプレーを見せたいと思います」
今年2月の内川のコメント。まったく悪意はないのだ。内川も、そしてオチ欲しさにそれを引っ張ってくる筆者も。