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超美技を連発の“魔術師”継承者。
ロッテ「岡田幸文伝説」が始まる? 

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永田遼太郎

永田遼太郎Ryotaro Nagata

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photograph byNaoya Sanuki

posted2011/09/25 08:01

超美技を連発の“魔術師”継承者。ロッテ「岡田幸文伝説」が始まる?<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

千葉ロッテマリーンズとしては、初の育成ドラフト出身での一軍登録選手となった岡田幸文。「オーバーフェンス以外は全部捕るつもりでいる」との発言も

 フェンス際の魔術師――。

 かつてその男はそう呼ばれていた。

 30年前の1981年9月16日、当時阪急ブレーブスの外野手だった山森雅文は、初回にレフトラッキーゾーンへ向かう大飛球をフェンスによじ登ってキャッチするスーパープレイを披露した。

 のちにこのプレイで、日本人初の米国野球殿堂入りを果たすなど彼は広く称賛され、今も伝説の名手として語り継がれている。

 その山森が、今春から千葉ロッテの外野守備走塁コーチに就任した。

 まるで彼の伝説が受け継がれたかのように外野で超美技を連発する今季の千葉ロッテ。なかでも背番号66、岡田幸文(よしふみ)のプレイは深夜テレビの「スーパープレイ特集」で流されない日はないというくらい、プロ野球ファンに広く認知され始めている。彼こそが「フェンス際の魔術師」の継承者と呼べる存在だ。

岡田の才能を開花させた代田コーチの至言とは。

「守備では誰にも負けたくないんです」

 岡田は常日頃からこの言葉を口にする。

 今年6月15日の東京ドーム(対巨人戦)では、2回に右中間の大飛球をフェンスに激突しながらキャッチし、8回には右中間を抜きそうな低いライナーを今度はダイビングキャッチして、その日のヒーローになっている。

「守備と走塁はスランプがないですし、ピッチャーが一生懸命放っているのを、僕は守備範囲の広さでカバーしたいと思っています」

 岡田が守備に対し、ここまで強いこだわりを持っているのは、ある出会いが大きかった。

 2年前の'09年春、まだ育成選手だった岡田は、誰よりも早く守備につき、誰よりも大きな声を張り上げて自分の存在をアピールする、元気がとりえの若手選手だった。

 そんな岡田に目をつけたのが、当時2軍の外野守備走塁コーチを務めていた代田建紀だった。

「プロはたった1つの武器を持っていれば、食べていけるんだよ」

【次ページ】 「守備走塁に対する意識がより強くなりました」

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