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5人の王者が競う贅沢なバトル発生!
ベッテルが生んだモンツァ新伝説。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byHiroshi Kaneko
posted2011/09/21 10:30
「ベッテルとポジション争いをする時は、少し厳しくしていかないといけないね」とアロンソから宣言されたベッテル。これから後半戦のバトルでは、ますます激しい競り合いが観られることは間違いない
「クラッシュ小僧」の汚名を返上した静かなハミルトン。
最後は'08年のチャンピオン、ハミルトンである。
ハミルトンはこの日のレースの5人のチャンピオンたちの中で、もっとも静かな戦いを演じたドライバーだった。なぜなら、前戦ベルギーGPで小林可夢偉と接触事故を起こしていたからである。そのベルギーGPでは予選でマルドナドとも接触しており、さらにその前戦ハンガリーGPでもペナルティを受けていたハミルトン。
「自分のスタイルは変えない」と言いつつも、シューマッハーの執拗なブロックに耐える姿は「クラッシュ小僧」の汚名を返上するに相応しい走りだったといえる。
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'11年のイタリアGPの走破時間は、ここまでの13戦でもっとも短い1時間20分46秒。
しかし、それ以上に短く感じたのは、5人のチャンピオンたちによって濃密な戦いが演じられたからではないだろうか。