自転車ツーキニストのTOKYOルート24BACK NUMBER
究極の駐輪場を探し求めて……。
都心の各種駐輪場を総チェック!
text by
疋田智Satoshi Hikita
photograph bySatoshi Hikita
posted2011/08/20 08:00
これが噂のハイテクロボット駐輪場!? パッと見て、すぐに何か分かる人は少ないかもしれないが……とにかく凄いんです!
芝生効果は素晴らしい! “高級自転車銀座”にて。
さて、有楽町から東京を横断して、今度は新宿あたりを目指そう。まっすぐに行くのではなく、外苑近くを通る南回り路線。外苑西通りなどを通って青山周辺を行くと、おやー「高級自転車銀座」に出る。
青山に銀座? はい、すいません。言い方ヘンです。でも、ここ数年、増えたのだ。高級自転車ショップ。特にこの青山界隈はすごくて、ブリヂストン、スペシャライズドなどの高級店舗のほか、あの有名ショップ「なるしまフレンド」もここにある。
こうした店舗、ほとんどの客は、当然のように高級ロードバイクに乗ってやってくるわけだ。となると、それを収容する施設が必要になってくる。
何十万円もするような自転車だもの、その辺に放っておくわけにはいかないし、何よりも店頭の歩道に駐輪自転車が溢れるようじゃ、ショップの名折れだ。
というわけで、名門ショップ「なるしまフレンド」はさすがというべきか、かなり充実した駐輪場を持っている。店に向かって左側のスロープを上ると、そこに写真のような芝生の駐輪場。簡単なテーブルやベンチなどが置かれ、サイクリストたちの憩いの場にもなっている。
この駐輪場のスペシャルな部分は、地面だ。
芝生はいいね。特にこの季節、真夏はいい。
やはり植物だもの。水分があって、熱の発散効果があって、何となく涼しげだし、逆に日光の照り返しは少ない。日向なのにもかかわらず、周囲よりも何度か気温が低いような気がする。
芝生だからタイヤも汚れないし、歩いた感触もグッドだ。もちろん店の入り口もここに隣接している。
ま、自転車ショップの駐輪場だからね。さすがに自転車ユーザーの気持ちがよく分かっている。ここは都内屈指の「気持ちのいい駐輪場」といえよう。
ちなみに写真に写ってるのは、小学5年生の私の甥っ子。人生初のロードバイクを手に入れたばかりで、興奮気味の表情であります。
どこまでもカオスな新宿路上の意外な現実。
外苑西通りを北上し、新宿・歌舞伎町界隈を走っていくと、ふーむ、出た出た。放置自転車の数々だ。
さすがに“キングオブ猥雑シティ”歌舞伎町は、こうした放置自転車の数々をも飲み込み、数々の風俗店も飲み込み、こうして清濁併せ飲む大人のための街作りをしているのだな……なーんて、勝手な誤解をしてはならない。
新宿路上にずらりと並ぶ自転車たちは、いずれも「合法駐輪」なのである。
え? と驚くなかれ。ところどころに「“P”自転車置き場 枠内に駐車してください」との新宿区の看板が立っている。
駅前の駐輪は排除する代わりに、ちょっと離れると普通の歩道がそのまま「超ユル」の駐輪場がわりになっている。それが新宿。
良いことなのか悪いことなのか、よく分からない。
正直言って、私は停めないな。なんだか盗まれそうな気もするし。
でも、これが現実に成り立っているのならば、別に文句をいう筋合いもない。
それにしても、こうして新宿の中心地にママチャリで来ることができる人というのは、なんだかそれなりに幸せで便利な生活をしている人のような気がするね。