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待望の2010年F1シーズンが到来。
“跳ね馬・アロンソ王国”の出現か? 

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西山平夫

西山平夫Hirao Nishiyama

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photograph byGetty Images

posted2010/03/09 10:30

待望の2010年F1シーズンが到来。“跳ね馬・アロンソ王国”の出現か?<Number Web> photograph by Getty Images

今季から3年契約+3年オプションという契約でフェラーリに移籍したアロンソ。以前からフェラーリファンを公言しており、現役引退はフェラーリで迎えたいとしている

同エンジン対決は“分家”マクラーレンに分があるか?

 同じメルセデス・ベンツ・エンジンを使いながら、ワークスとサテライトという立ち位置が逆転してしまったメルセデスGPとマクラーレンだが、どうやら仕上がりはマクラーレンの方が上のようだ。

 昨年のブラウンGP(現メルセデスGP)は鈍感なハンドリングを解消し切れずにシーズンを終えたが、マシン・レギュレーションが大きく変わったとはいえ(無給油のためタンクが巨大化)、今年もアンダーステアが顔を出している模様だ。

 考えてみれば、昨年のフェラーリはシーズン半ばにはタイトル争いをあきらめ、早々に今季用マシンの開発にシフトしていた。レッドブル、マクラーレンも終盤には積極的にマシン開発を推し進めて成功した。そうした中でタイトル奪取にやっきだったブラウンGPが、今季用マシンの開発に後れを取った可能性はじゅうぶんある。4年ぶりに復活を果たすシューマッハーもシーズンの見通しにはかなり慎重で、開幕即優勝というような威勢のいいコメントは出していない。とはいえ超のつくベテラン=シューマッハーと、今季まずは初優勝を目指す若きロズベルグとのジャーマン・コンビネーションは悪くなさそうで、予想される混戦の中でのロス・ブラウン総帥の手腕が見ものである。

 いっぽうメルセデス・ワークスの立場から下野した感のあるマクラーレンだが、さすがに開発力の高さは一流。お荷物だったKERSを捨て去り、空力関係も一新してすっかり本来の速さを取り戻し、オフテスト最終日のバルセロナではハミルトンがトップタイムをマーク。懸念された新チャンピオン=バトンvs.旧王者ハミルトンとの軋轢はいまのところなさそうで“本家”メルセデスGPに一泡吹かせる準備は万端と見える。

小林可夢偉のザウバーは4強を脅かすダークホースに。

 ここまでの4チームを仮にAクラスとするならルノー、ザウバー、トロロッソ、フォースインディア、ウイリアムズの5チームがBクラスとして続いている。ただしこれはあえて分類すればという意味で、AクラスとBクラスの差はあったとしてもごく僅差のようだ。

 このA、Bの2グループを図形に例えればソロバン玉のようなひし形で、昨年以上に各チーム間の実力がグッと縮まった印象を受ける。

 注目の小林可夢偉が属するザウバーはテストでは時にキラリと速いところを見せ、タイム的にはAクラスの面々とそん色ないと感じさせた。唯一の不安材料は信頼性で、可夢偉もしばしばメカニカル・トラブルで走れないことがあり、走行距離の面で十全だったとはいえないようだ。もっともテストはトラブルシューティングが目的のひとつでもあり、開幕戦に向けて課題がクリアになったという意味ではそんなに悪い材料ではあるまい。

 ただそうはいっても中堅チームのザウバーがトップ4を喰うことは容易ではなく、いきなりの表彰台は難しい。まずは確実にフィニッシュを重ねながらチャンスを待つというのが順当なところだろうが、クレバーな可夢偉のこと、いったん戦況に乱れがあれば一気に上位に進出する離れ業も見せてくれるはずだ。

► 【次ページ】 中嶋一貴の名が噂されるステファンGPの開幕参戦なるか?

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