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移籍? 残留!? メジャーで大注目!
強豪球団が欲しがる黒田博樹の実力。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byGetty Images
posted2011/07/26 10:30
メジャーで野茂英雄以来ともいえる激しい争奪戦が繰り広げられている黒田博樹。破産したドジャースにあって1年契約1200万ドル(約9億7千万円)とチーム最高年俸となっていることが、移籍の可能性を高くしている
移籍か、残留か? トレードの選択権は黒田の手中に。
メジャーリーグでは7月31日にトレード期限が設定されており、いまはたくさんの噂が飛び交っている状態だ。
7月18日付のロサンゼルス・タイムズの報道では、ドジャースのコレッティGMと黒田が面談したことが報道されている。GMは、トレードの申し出が他球団からあった場合は黒田本人に伝えることを約束し、来年も黒田と契約したい意思はあるが、優勝を狙うチームに移籍することを妨げるつもりはない、と話したという。
黒田は全球団に対するトレード拒否権を持っているので、ドジャース側が主体となってトレードをまとめようとした場合、黒田本人がまず拒否権を放棄をする必要がある。トレードとは言っても、実質、黒田が球団の選択権を握っていると言っていいということだ。
もちろん、ドジャースに残留する選択肢もあるだろうし、8月には違うユニフォームを着ている可能性もある。
ヤンキースとレッドソックスが黒田獲得にしのぎを削る?
これまでの報道を総合すると、黒田に興味を持っている球団は、
・ヤンキース
・レッドソックス
・インディアンズ
・タイガース
の名前があがっている。
7月1日、インターリーグでエンジェルスと対戦し、無失点に抑えたのも高評価につながっているようだ(DH制が敷かれているアメリカン・リーグの打線を抑えるのは難易度が高いと思われているため)。
興味深いのは、あらゆる局面でライバル意識がむき出しのヤンキースとレッドソックスが、黒田獲得でもしのぎを削りそうな勢いだということ。