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競輪はプロ野球選手の理想的な
セカンドキャリアではないか? 

text by

中村計

中村計Kei Nakamura

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2009/12/01 10:30

競輪はプロ野球選手の理想的なセカンドキャリアではないか?<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

活躍次第で収入も億を超え、野球より選手寿命が長い。

 北野の師匠である利根川勇も北野の潜在能力に感嘆していた。

「やっぱりプロ野球界に入るような選手は基礎体力が違う。入門してきたばっかりのとき、自転車にのって一週間ぐらいでキャリアが上の人に勝っちゃったんだから。今でも乗り方はフラフラしている。でも力で乗っちゃう。これで技術がついてきたら、どこまで行くのかね」

 競輪選手はもっとも多く稼ぐ人でも年間2億円に届くかどうかだ。プロ野球選手のように4億円、5億円も稼ぐことは無理だが、少なからず億単位に手が届く可能性はある。加えて、40代、50代までやっている選手も珍しくないように、プロ野球よりも選手寿命は遥かに長い。北野がこんな提案をする。

「阪神を引退した今岡さんとか、やらないですかね。そうすれば競輪界も注目されますし。今岡さんぐらいの選手なら、今からでも十分できると思うんですけどね」

 さすがに今岡の35歳という年齢を考えると、今からトップクラスに入ることは難しい。でも、そんな夢を描くことはできる。そして何より、働いたぶんだけお金になる、稼げば再び栄誉も手にすることができる、そういう世界であるということは、元プロ野球選手にとってもっとも心が満たされるのではないかと思うのだ。北野のあとも、元ヤクルトの松谷秀幸や元広島の兵動秀治などが競輪界の門を叩いている。

競輪界はプロ野球界からのスーパースターを待っている!

 昨年には、競輪界のスーパースターだった中野浩一ら競輪関係者が人材発掘のためにプロ野球選手の合同トライアウトの視察に訪れた。今年も日本競輪学校の滝沢正光名誉教官が同じくスカウトに訪れている。競輪界にとって、身体能力もネームバリューもある元プロ野球選手たちはまさに磨けば光る原石なのだ。北野が続ける。

「今考えると、あの人が競輪をやっていたら……という人は何人もいる。ソフトバンクの監督になった秋山さんなら、競輪界にきても間違いなくスーパースターになっていたでしょうね。秋山さんは野球でも成功していたのでその必要はなかったでしょうけど、野球で無理だと思ったら、早いうちに競輪に挑戦する方が賢いという人はけっこういると思いますよ」

 いずれにせよ、元プロ野球選手の再就職先として今後、競輪は救世主ともいえる存在になるのではないだろうか。競輪はプロ野球選手の理想的なセカンドキャリアではないか?

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