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「下町気質」が引き起こす、
ウェストハム新オーナーの舌禍事件。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byAction Images/AFLO

posted2010/02/24 10:30

「下町気質」が引き起こす、ウェストハム新オーナーの舌禍事件。<Number Web> photograph by Action Images/AFLO

ウェストハムの新オーナーに就任したサリバン(左)とゴールド(右)。「筋金入りのサポーター」として、チームの再建に成功できるか?

「プレミア残留」に失敗すればふたたび倒産の危機が。

 会長からの“逆風”が吹きつけるなか、バーミンガム戦には2-0で勝利した。先制のFKを決めたアレッサンドロ・ディアマンティは、チームメイトたちを引き連れてベンチ前のゾラに駆け寄ってゴールを祝った。スタジアムを埋めた3万人を越すウェストハム・サポーターは、胸を張って指揮官の名を連呼した。少なくとも、ウェストハムの監督、選手、そしてサポーターたちは、「プレミア残留」という現実目標に向かって心を一つにしている。

 クラブにとっての当面のキーワードは、ずばり「シャットアップ」だろう。

 ゾラと選手たちは、試合後半の失点の多さ(25試合で25失点)を改善すべく、リードを奪った後は自軍ゴール前の「戸締り」を意識しなければならない。

 そしてサリバンとゴールドは「口を閉ざす」ことが必要だ。両イーストエンダーが、チームとファンの士気を損ない、足並みを乱すだけの発言を繰り返せば、ウェストハムは、外国人による前体制では経験せずに済んだ降格という憂き目に会い、延いては大幅な収入減を招いて、またしても倒産の危機を迎える羽目になりかねないのだから。

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