スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
ウォーク・イヤー効果と3人のスター。
~契約最終年に活躍するMLB選手~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2011/07/03 08:00
2005年から2007年にかけて3年連続盗塁王に輝いているレイエス。今季は2008年以来の200安打も射程内に
ウォーク・イヤーで打撃好調のフィルダーの懸念材料。
ウォーク・イヤー効果を感じさせる選手はほかにもいる。ブルワーズのプリンス・フィルダーだ。フィルダーは、レイエスよりも若い27歳。178センチ、124キロという体型には疑問符がつくが、パワーと巧さを兼ね備えた打撃術は、相当の高水準に達している。本塁打(21)、打点(68)、OPS(.1037)の3部門でナ・リーグのトップを走る実績には、もちろん買いの声が高い。
彼のモデルは、'08年にヤンキースと契約したマーク・テシェイラだと思う(8年総額1億8000万ドル)。
ただ問題は、フィルダーの肥りすぎを懸念する声が、方々からあがっていることだ。つまり、長期契約ではなく「3年総額7000万ドル」とか「5年総額1億500万ドル」とかいった短期の条件がオファーされることも視野に入れておくべきだろう。もうひとつ、ヤンキースやレッドソックスといった金満球団が一塁手に不足していないことも、フィルダーには苦しい。落ち着き先としては、カブスやオリオールズあたりが現実的なのではないか。
今オフ最大のビッグネーム、プーホルスは古巣に収まるか!?
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と書けば、やはり最大のビッグネームがここで浮上してくる。
カーディナルスの一塁手アルバート・プーホルス(31歳)だ。今季故障がちとはいえ、10年連続100打点の偉業は同世代の打者のなかでも群を抜いている。彼は果たして、アレックス・ロドリゲスが樹立した契約金総額2億7500万ドルの最高記録を更新できるのだろうか。10年総額3億ドルの声も聞こえないではないが、Aロッドの時代とは金融情勢もずいぶん異なっている。私は、古巣カーディナルスが8年総額2億3000万ドルぐらいで契約を結ぶのではないかと予測している。