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大統領もGoサイン!
2010年、韓国でF1初開催へ。
~来年は隣国へF1観戦旅行!~
text by
西山平夫Hirao Nishiyama
photograph byKYODO
posted2009/11/01 08:00
ソウル五輪、日韓共催W杯なども国家的事業として推進してきた韓国政府。このご時世で李明博大統領が目をつけたのがF1グランプリだった!?
今秋、FIA(国際自動車連盟)から2010年のF1カレンダー全19戦が発表された。
とはいえまだ暫定スケジュールで、2年ぶりに復活するはずのカナダ(第8戦)開催が不透明だったり、サーキットの認定が取れていないコースがあったりで正式発表は12月のFIA総会まで待たなければならないが、シリーズの全体傾向は分かるという程度である。
開幕戦はバーレーン。日本GPは終盤の第16戦で。
開幕戦はバーレーン。客の入りが極端に悪いサーキットのひとつだが、開幕戦ということで注目度を一気に高めようという狙いがあるのかもしれない。この後にオーストラリア~マレーシア~中国とアジア3連戦があり、バーレーンからの序盤4戦は今年と同じくヨーロッパを離れた“フライアウェイ”と呼ばれる空路での転戦となる。
第5戦スペインから、グランプリは本場ヨーロッパに戻るが、第15戦シンガポールから終盤5レースはまたもフライアウェイ。
日本グランプリは第16戦に当り、残り3戦もあることから推測するに、まずチャンピオン決定戦とはならないのではなかろうか?
初の韓国GP開催。不況打開のカンフル剤となるか?
それはそうと、鈴鹿の次が韓国グランプリというのが激しく筆者の食欲……いや、興味をそそる。
韓国グランプリは10年くらい前からたびたび話題に上っていたが、暫定とはいえFIAカレンダーに載ったのは今回が初めてだからなおさらだ。
同じアジア圏でマレーシア、中国がグランプリを開催しているのに、韓国がF1を招致できないというのも考えてみればおかしな話ではある。モータースポーツの歴史こそ浅いもののヒュンダイ、キア、ダイウなど世界に名だたる自動車メーカーがあり、F1の公認電子機器にLGが使われているなど、ハイテク産業も高度なのだから。
またスポーツ・イベントとしてはすでにオリンピックを開催し、日本と共催でサッカーのワールドカップもやってのけるなど、韓国にはF1を開催する要件が揃っていた。
おそらく李明博大統領はじめ政財界のトップは、F1グランプリ招致を不況打開のカンフル剤にしようと思ったのではないか。
ちなみにサーキット建設費は1760億ウォン(約132億円)、別にインフラ整備に600億ウォン(約45億円)をかけることが決まっているという。