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バンクーバー五輪の敵は“音”だった!?
日本選手を妨害した会場トラブル。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byNaoya Sanuki/JMPA
posted2010/02/18 21:20
五輪での晴れ舞台に傷をつけられた小塚崇彦。
実は、前日のフィギュアスケートでも日本人選手は「音」に泣かされている。
男子のショートプログラムで、小塚崇彦が演じた曲の最後の部分が途切れたのだ。楽曲が全部終わる前に音を切ってしまったという明らかな操作ミスである。大事な決めのポーズが、間が抜けたような感じになった。「音、音」と小塚が必死に上を指さしていた姿が目に焼きついている。
「ちょっと締まらなかったですよね。練習では最後まで流れていたんですけど。でも、誰にでもミスはあるものですから」
小塚はそう言って寛容さを見せたが、内心はどうだったのだろう。五輪の晴れの舞台を台無しにされたのだ。
ついでに言えば、3位につけた高橋大輔の曲の音量が小さかった一方、2位につけるアメリカ代表のエバン・ライサチェクの曲の音量は明らかに大きかったことも気になった。フィギュアスケートは採点競技である。曲の音の大きさや良し悪しで、観客の声援や会場の熱気も変わってくる。得点に0.01ポイントでも影響はなかったと言えるのだろうか。
「筋書きのないドラマ」はスポーツにつきものだが、バンクーバー五輪ではちょっと運営側のトラブルが多すぎる。勝負の結果を左右し、選手を巻き込むようなトラブルだけは、もう御免である。