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Jリーグから透けて見えた、
中澤・闘莉王コンビの課題。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byMasahiro Ura

posted2009/10/14 11:30

Jリーグから透けて見えた、中澤・闘莉王コンビの課題。<Number Web> photograph by Masahiro Ura

横浜Fマリノスの28節現在での失点数は32で4番目に少ないものの、順位は11位にとどまっている

日本最高のCBふたりだが、その相性はどうなのか?

 現在、日本代表の4バックの中央は、中澤と闘莉王が組んでいる。2人が日本最高のセンターバックであることは疑う余地がない。だが、2人の相性という意味ではどうだろうか?

 ヨーロッパでは、センターバックのせめてどちらかに、足の速さが必要であることは常識だ。DFラインのうしろの広大なスペースをカバーしなければいけないからである。しかし、日本の場合、2人ともスピードがあるタイプではない。

 どちらを使うにせよ、もう1人のセンターバックは機動力があるタイプにすべきではないか。もし2人を使うならば、ボランチの位置に攻撃に特徴がある遠藤保仁ではなく、足の速いフォアリベロを置くという選択もあるのではないか? たとえば、まだ代表に呼ばれたことはないが、スペースをマネジメントする能力に長け、俊敏な寄せでボールを奪うことができるFC東京の米本拓司などはその候補といえるだろう。

 いくら実績があり、いくらヘディングが強いからといって、アンタッチャブルな存在にしてしまうと問題が見えなくなってしまう。Jリーグの試合でさえ露呈してしまう欠点を、各国のスカウトが気がつかないわけがない。

 日本代表における守備ブロックの組み合わせを、もう1度考え直すべきだろう。

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