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明豊・今宮と常葉橘・庄司が決闘!
ライバル物語の続きはプロで。 

text by

氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byHideki Sugiyama

posted2009/08/21 12:30

明豊・今宮と常葉橘・庄司が決闘!ライバル物語の続きはプロで。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

最初の対決は庄司の四球から始まったのだが……。

 最初の対決は1回表にいきなり訪れる。

 投手・庄司が打者・今宮に挑んだが、四球を与えてしまう。庄司に力みが先行している。3回表の第2打席もストレートの四球だった。

 試合は1回表に明豊が2点を先制する展開も、常葉橘は3回裏に5本の長短打を集めて逆転。4-2とするとともに、先発した明豊の先発左腕・野口をマウンドから引きずり下ろした。

 そして、3回裏途中、今宮がマウンドに上がった。アップもしていない状態での緊急登板だが、今宮は3球連続ストレートを投じて7番・稲角を3球三振。2球目は147㎞、3球目は150kmを計測する圧巻の投球だった。次打者には151kmも記録した。

 4回裏、投手・今宮―打者・庄司の直接対決。その2球目、今宮のストレートは153kmを計測。しかし、庄司は打ち返した。左翼前への2点適時打。庄司に軍配。

 6-2で常葉橘がリード。

庄司の心が燃え上がった瞬間――速球が唸りを上げた!

 5、7回。投手・庄司―打者・今宮の対決では今宮が2安打を放ち猛追をかける。そして9回表。常葉橘1点リードで無死三塁。今宮が打席に立った。

 庄司に戦う姿勢がありありと出る。初球から140km台後半を連発。

 ストレート、ストレート、ストレート、ストレート、ストレート、ストレート。

 145km、146km、147km、146km、146km、146km。

 小細工なしのストレート一本勝負。

 2-1からファール2球の後、今宮が軽打。右翼前へと運んだ。

 同点タイムリー。

延長12回まで続いた2人の死闘。

 9回裏、今度は投手・今宮―打者・庄司の対決。

 真っ向勝負を期待した庄司に対し、今宮は初球フォークから入り、コントロール重視のストレート

、フォークを投げ分け、最後も抑え気味のストレートでセカンドゴロに打ち取った。技で今宮が勝った。

 11回表2死2塁から投手・庄司―打者・今宮の対決を迎えたが、この時は庄司の制球が定まらずストレートの四球。

 2人の勝負はここで終わった。

 試合は延長12回表に2点を奪った明豊が、接戦を制した。

【次ページ】 「今までで一番楽しかった」今宮。「最高の甲子園」庄司。

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