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2019年ラグビーW杯は日本に!
アジア初のホスト国の栄誉と宿題。
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byGetty Images
posted2009/07/30 11:50
アジアでの開催はほぼ内定していたが、決定の報せに大畑大介(写真右)も安堵の表情を浮かべた
10年という時間は長いようで短い。若年世代の強化が急務だ。
「2019年を考えたら、高校・大学世代の強化が一番大事。一部の選手しかタイトなゲームを経験できない現状を改善しないと」と大畑は言った。
これまでは、高校や大学の下級生時代に高い実力を証明しながら、周囲に自分より強い選手がいない環境で過ごす間に、伸び盛りの貴重な時間を浪費してしまった選手が多かった。
国内でラグビーに触れ、育ち、世界へ翔く選手を送り出さなければ「ラグビーの素晴らしさをアジアに、世界に発信する」という大義も空論になる。
5月のサニックス・ワールドユース大会では東福岡高が準優勝。ニュージーランドや南アフリカの精鋭のタックルを突き抜ける圧巻の突破力を見せた2年生CTB布巻峻介は、日本に可能性に満ちた素材がいることを証明してくれた。しかし、今のままでは同じことが繰り返される。
10年後の祭典へ向け、準備時間は決して長くない。後戻りのできない挑戦が始まった。