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早ければ今夏にもプレミアに復帰!?
モウリーニョの条件は「全権掌握」。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2011/04/01 10:30

早ければ今夏にもプレミアに復帰!?モウリーニョの条件は「全権掌握」。<Number Web> photograph by MarcaMedia/AFLO

今季、リーガで優勝できなくてもプレミア復帰はあるのか? インテル時代は英、伊、スペインの3大リーグを制し、CLを異なったチームで3度制す初めての監督になると語ったこともあったが……

「次の任地はイングランドになるだろう」

 ジョゼ・モウリーニョの一言にイングランド国内は騒めいた。これはロンドンで行なわれたチャリティー・ディナーの席での発言だが、レアル・マドリーのポルトガル人監督は、チェルシーの指揮官として3年を過したイングランドへの想いも吐露している。

「公私両面で最高だった。私は喜びを感じながら仕事がしたい。インテルでは戦術力を試すことができた。レアルは世界最大のクラブだ。しかし、イタリアもスペインもイングランドとは違う。私にとってイングランドは別格だ」

 ノスタルジックな発言は今回が初めてではない。モウリーニョは、2007年9月に突如としてチェルシーを追われた直後から、「情熱的なイングランド・サッカー界に惚れ込んでいる。いつの日にかまた」といい続けてきた。

復帰先候補は“ビッグ4”+新興勢力2チームに可能性が。

 しかし、「次は」と具体的なタイミングを公言したのは今回が初めてだ。

 レアルとは昨夏から4年間の契約を結んでいるが、シーズン中でなければ違約金なしで他クラブに移れる条件が含まれているとされる。メディアは、今季終了後のプレミアリーグ復帰を吹聴し始め、大手ブックメイカーは、やはりモウリーニョが口にした「やり残したことがある」というくだりを「チェルシーでのCL優勝」と解釈したのか、ひと月前には8倍以上だった「モウリーニョの次期チェルシー監督就任」の掛率を3倍以下に切り下げた。

 注目の復帰先としては、かつての“ビッグ4”に新興勢力2組を加えた6チームに可能性があると思われる。

 巷で最有力視されている古巣チェルシーでは、ロマン・アブラモビッチによる独裁が続く。モウリーニョの退任はオーナーとの確執が最大の原因だった。だが、時間がわだかまりを解消したと言われている。その兆しが見られたのは、3年前の春。モウリーニョが興味を持っていた限定生産の4人乗りフェラーリを、アブラモビッチがプレゼントしている。現在の両者は携帯メールで連絡を取り合っているという。

 マンチェスターUのアレックス・ファーガソン監督は、モウリーニョと直接電話で話をする間柄だ。69歳の御大と48歳の名将は、年齢差を越えて互いを尊敬し合っている。ファーガソンが長期政権に終止符を打つ時がくれば、モウリーニョにポストを譲ることに異存はないだろう。

【次ページ】 長期政権のアーセナルも今季の優勝を逃すと……。

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