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【動画】「一人ひとりが良い色のスケーターに」浅田真央が『木下MAOアカデミー』で追い求める指導者像、思い描く未来とは「私の子ども時代にそっくりな子も」《インタビュー》
2017年の引退後、自らが座長としてアイスショーを率いてきた浅田真央が、プロスケーターとしての活動に一旦区切りをつけた。今年8月に、自身の名がついたリンク「MAO RINK TACHIKAWA TACHIHI」で「木下MAOアカデミー」を開校。選抜した5歳から9歳の子どもたちへの指導を始めた。
「すごくたくさんの応募をいただきました。5歳から9歳にした理由は、まだその年齢だと完成されていないスケーターだからです。出来るだけ自分たちの理想とするスケーターにしたいという思いがありました。2カ月前は2回転を跳べなかった子も跳べるようになったり、シングルアクセルも跳べなかった子が跳べたり。一人ひとりの成長を見られるので、すごくやりがいを感じています」

全国から約70名が応募。書類審査、実技、面談をへて男女12名のアカデミー生が選ばれた。週6日、1日4~5時間の氷上練習と、1~2時間の陸トレをこなし、着実に力をつけている。
「目標はオリンピックという子も、何か1つのことを頑張りたいという子もいました。それぞれが一生懸命であれば良いと思います。常に上を目指してやっていただきたいと思っています」
「2~3年くらいで結果が出始めるといいなと思って」
アカデミー生としての試合デビューは来年春。オリンピック出場は早くても2034年になる。
「まだ小さい子たちなので、すぐに結果というよりは、徐々にノービス、ジュニア、シニアにかけて着実に実力をつけていってもらえたらなと思います。今日の今日結果が出るものではないので、私としては2~3年くらいで結果が出始めると良いなと思って指導しています」

ジャンプの指導をする立場になり、改めてさまざまな跳び方の流派を研究している。
「今はジャンプがすごく進化しています。やっぱりロシアが一番なので、ロシアの子たちの跳び方は研究しています。また日本の昔からの跳ばせ方など、自分で学べるものはすべて学んで、日々研究しています」
改めて客観的にジャンプ技術を研究したことで、感じることもあるという。
「いま、昔よりもすごくスケートのことを勉強していて、これだけ色々分かって、いろんなメソッドを取り入れていたら(現役時代に)もっと跳べてただろうな、なんて思います(笑)」
心に響く恩師の言葉「どの先生の真似もしなくていい」
ジャンプの指導法だけではない。木下MAOアカデミーの開校にあたり、恩師の山田満知子コーチに会い、指導者としての心得を尋ねた。
「満知子先生の話が、私の中で響いています。『どの先生の真似もしなくていい』と言ってくださりました。真央にしかできない指導法があると思うから、と。どういう指導法が良いのか今はまだ手探り状態ではありますが、自分を信じてやっていこうと思います」

誰のものでもない自分だけの指導法。その中で大切にしているのは、一人ひとりの個性を大切にしたいという思いだ。
「私の子ども時代にそっくりな子もいます。一人っ子や、お姉ちゃん、妹、みんなそれぞれ違って、みんなに同じクロススケーティングをさせても個性があるんです。一人ひとりが良い色になってスケーターとして花開いてくれると嬉しいです」
個性を伸ばしていくことを意識して、8月の開校後、12人それぞれにプログラムを振り付けた。
「最初の曲は、まずはその子にぴったりな曲を選びました。その子が伸びる曲、生きる曲ですね。振り付けてみたら、アカデミー生だけでアイスショーが出来るくらいに、みんなバラエティがあり、それぞれ違うものになりました」
それぞれが曲かけ練習をする様子を見ながら、「もっと足を伸ばして!」「そうそう!」と、大きく声を張り上げる。その声は、成長を見守る喜び、そして指導者となった責任感に満ちている。教え子の動き1つ1つを見逃さないように、そしてしっかりと自分の思いを伝えるように。スケート人生の新たな一歩を踏み出した。

インタビュー動画では、下記のことにも触れている。
- 自身がオリンピックを目指したのは小学2年生
- 子どもたちに声がけする時に気をつけていること
- ジャンプメソッドはロシアを研究、日本とロシアの違いは――
- 自分の現役時代よりも陸トレを重視
- ポジティブな指導。転んだ子を褒めることも
- メディアの前での子どもたちの反応を観察
- 座右の銘は「日進月歩」
スケート人生の第3章を歩み始めた、浅田の熱い思いがあふれるインタビュー。ぜひご覧ください。(10月9日取材)
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