「長いシーズン、いろんなことがあると思いますけど、すべてはチームのために、応援してくれるファンのために」
今季の開幕となる3月27日、試合前の全体ミーティングでの出来事である。初陣を控えた池山隆寛は緊張した面持ちで、手元の手帳を見ながら訓示を続けている。
「つば九郎が戻ってきますんで、より盛り上がるはずです。あとはみんなで戦いましょう。いいですか!」
ここまでは「普通の」監督メッセージだった。しかし、ここから異例の展開が披露されることになる。「私、緊張していますので、スタメン(発表)の前に緊張をほぐしたいと思います」と言うと、ユニフォームの後ろポケットから、自社製品であるヤクルト1000を取り出して高く掲げ、そして……。
「新しい、朝が来た。希望の朝だ~」
CMで使用されている『ラジオ体操の歌』を大声で熱唱したのである。選手たちからはとまどいを含んだ小さな笑いが起きる。この日の試合に勝利した池山はこのミーティングの意図を次のように振り返った。
「やっぱり、笑いがあるところに人は集まる。笑顔になると元気になれる。だから、CMを見て、開幕前夜に決めました。朝、運転手さんに頼んで、コンビニでヤクルト5本くらい買ってきてもらったんです」
60歳にして初めて一軍の指揮を執ることになった12球団最年長監督は折に触れ、このようなミーティングを行っている。チームが停滞しているとき、連敗が続いているときに、自ら壇上に立ち、若い世代にとっての「オヤジギャグ」を交えたメッセージを積極的に送る。そこに込めた意図について、池山は恥ずかしそうに口を開いた。
プラン紹介
「雑誌+年額プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
「雑誌+年額プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
記事


