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「覚悟を持って言いなさい、と」濱田美栄コーチが門下生に伝えた“鈴木明子さんの言葉”とは?《千葉百音、島田麻央らが所属…木下アカデミーの哲学》

昨年の全日本選手権で2位に入った島田麻央。木下アカデミーで成長を続ける
2020年にスタートした、濱田美栄コーチ率いる「木下アカデミー」。発足当時、濱田が「まずはミラノ五輪を目指す」と話していたとおり、国内最高といえる練習環境で5年をかけて磨き上げてきたものが結実の時を迎えようとしている。6月末の木下アカデミー公開練習で、濱田コーチが、選手の進歩、そして4年に一度の大舞台への思いを語った。

 ミラノ・コルティナ五輪への熾烈な争いで、女子の筆頭に挙げられているのは千葉百音(20)だ。千葉は17歳だった23年春に、仙台から京都・宇治を拠点とする濱田のもとに移籍。みるみる実力をつけ、25年の世界選手権では銅メダルを獲得した。

 濱田は、この2年での千葉の成長に手応えを感じている。

「千葉さんは京都に来てから、スケーティングの一歩がさらに伸びるようになったことで、滑りの質があがり、コンポーネンツ(演技構成点)が飛躍しました。このオフに、さらにスケーティングが良くなってきていると感じています」

 千葉の滑りを飛躍させたのは、豊富な貸し切りの時間を生かして基礎のスケーティングに時間を費やしたことにある。 通常のリンクであれば、一般滑走の間はレジャー客で混雑する中で練習するため、リンクを大きく使ったスケーティング練習は出来ない。しかし「木下アカデミー京都アイスアリーナ」はアカデミー生だけの貸し切り枠が充実しており、スピードを出して大きく滑る練習ができるのだ。

 濱田は、千葉の特性を見極めて、指導方針をこう考えた。

「彼女の良さは、パッと見たときに『滑るスケート』をすること。スピードがあると言ってもいろんな質のスピードがあり、押して滑るスピードも、エッジに乗ったときに加速するスピードもある。千葉さんはアイスダンスのように、乗っている足からスピードが出せると感じました」

photograph by Yoshie Noguchi
photograph by Yoshie Noguchi

 ジャンパーとして名高い紀平梨花や島田麻央を育てた濱田であれば、千葉に、トリプルアクセルや4回転を身につけさせるという方向性もあった。しかし、千葉の強みを「スケーティング」であると見極め、それを磨くことを2年間継続してきた。

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