週刊文春3/12臨時増刊
巻頭特集

記事を
ブックマークする

「『いつも通り行け!』という皆の声が」りくりゅう、鍵山優真、坂本花織が1位で繋いだフィギュア団体…佐藤駿が見せた“覚悟”と“銀メダルの涙”「1位を取りたかった」

男女エースの涙から始まった3日間の戦いは、表彰台での弾ける笑顔で幕を閉じた。息を呑む緊張感のなか、なぜ彼らは次々と“奇跡”を起こすことができたのか。日本フィギュアの底力を見せた死闘の裏には、北京五輪から続く物語があった。(原題:[7人で繋いだバトン]フィギュアスケート団体「果たされた4年前の約束」)

 フィギュアスケート団体戦の最終日、最後の種目となる男子フリーの最終滑走。同ポイントで並ぶアメリカとの決戦で、五輪初出場の佐藤駿は氷上に降り立った。直前に滑った世界王者イリア・マリニン(アメリカ)はミスがあり、200.03点。興奮、緊張、期待、さまざまな感情が混ざり合い、アリーナには湿った空気が立ちこめていた。

「イリアに勝てば、日本は優勝だ」

 フリー自己ベスト194.02点の佐藤にとって、金メダルは指先が届く位置にある。

「マリニンの点を見ました。個人競技だったらすごい緊張していた。でも『いつも通り行け!』という皆の声が聞こえました」

 小さく息を吐き、スタート位置に立った。

「それぞれがレベルアップして、ミラノでは金を目指そう」

 ミラノ・コルティナ五輪の団体戦は、4年前の約束から始まっていた。これまで日本は団体戦でソチ五輪5位、平昌五輪5位、そして北京五輪2位。坂本花織は振り返る。

「初めて平昌で団体戦を経験した時はフリーを滑れるだけですごいことでした。そこから4年、皆が頑張って北京では予期せぬメダル。それからは、りくりゅう(三浦璃来&木原龍一)や(鍵山)優真君と『それぞれがレベルアップして、ミラノでは金を目指そう』と話してきました」

 迎えた1日目。初戦のリズムダンスには、吉田唄菜&森田真沙也が登場。沸き起こる手拍子に包まれ、10組中8位と健闘した。キス&クライでは、2人の演技を見た鍵山と坂本が自分のことのように涙を流した。

「2人とは同期で、色々な思い出がフラッシュバックして涙が出ました」(鍵山)

全ての写真を見る -1枚-
特製トートバッグ付き!

「雑誌+年額プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Sunao Noto / JMPA

0

0

2

この連載の記事を読む

もっと見る
関連
記事