週刊文春3/12臨時増刊
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「僕の心は折れてしまいました」絶望の涙を流す木原龍一を三浦璃来はいかに支え、ペア初の金メダルに導いたのか「今日は龍一くんのために滑るね」「じゃあ僕は璃来ちゃんのために」

得意技のリフトで、まさかの失敗。一時は「終わった」と下を向いた。それでも互いを信じきることで、見事に4年前の「約束」を果たした。なぜ2人はわずか1日で、絶望を歓喜の涙に変えることができたのか。(原題:[栄光へのリフト]三浦璃来&木原龍一「黄金の絆で結ばれて」)

「今日は、『ショートのことはすべて忘れて、イチからスタートしよう』と話し合いました。本当に強い思いでした。この7年間、たくさんのことを経験し、成長してきたからこそ、今日の演技に繋がったと思います」(三浦璃来)

 ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート・ペア。三浦と木原龍一の2人は、ショート5位からの劇的な逆転で、日本の同種目史上初となる金メダルを獲得した。

 普段は9歳上の木原が“お兄さん”として三浦を支え、2人で突き進んでいく関係性。しかしショートのミスを引きずった木原は、フリーの演技直前まで「もう僕のオリンピックは終わってしまった」と諦めていた。なぜこの窮地で、三浦は気を強く持ち続け、木原も強い自分に戻ることができたのか。これは、真実の絆を試され、最後までその手を離さなかった2人の物語だ。

2度目の五輪で胸に抱いた「2つの約束」

 ペア結成から7年かけて辿り着いた、2度目の五輪。2人の胸には「2つの約束」があった。1つは、坂本花織、鍵山優真らと誓った団体戦のメダルである。

「北京五輪でメダルを取ることができて、花織ちゃん、優真くんたちと、4年後また戻ってこよう、それぞれがレベルアップを頑張ろうと話してきました」(木原)

 もう1つは個人戦でのメダルだ。北京五輪では、ショートのミスのあと落ち込んでいた三浦を木原が励まし、フリーで気持ちを切り替えて、7位と健闘した。

「一度コンディションが落ちたとしても、積み重ねてきた練習を信じれば、本番で力を発揮できるんだということを学びました。その時に『4年後はオリンピックメダリストとして会見に出よう』と約束したんです」(三浦)

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photograph by Kaoru Watanabe / JMPA

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