特別増刊
Special Feature

記事を
ブックマークする

「五輪がスケート人生のすべてではないから」紀平梨花が語った“カナダ移籍”と“北京五輪前のケガ”<独占インタビュー/2022年>

2022年にインタビューに応じてくれた紀平梨花
右足に負った疲労骨折の回復が遅れ、今季は休養をとることを余儀なくされた。昨年の全日本選手権を欠場し、夢の舞台だった五輪を断念した当時の思いと、カナダに移籍し見えてきた未来への展望を、アイスショーで復帰したいま語った。(初出:NumberPLUS FIGURE SKATING TRACE OF STARS 2021-2022シーズン総集編[復帰インタビュー]紀平梨花「スケート概念を変えた驚きと学び」)

 日本女子のエースとして北京五輪での活躍が期待されながらも、右距骨疲労骨折のため休養した紀平梨花。新天地カナダへの移籍、葛藤の末に決断した全日本選手権欠場。彼女の五輪シーズンは紆余曲折の1年だった。

移籍したカナダで感じた「温かい場所」。

――昨年オフは、北京五輪に向けて準備をされていたことと思います。フリーに選んだ勝負曲は『タイタニック』でした。

「色々な曲を聴いていた中で、曲の壮大さが印象に残ったので決めました。アルバムの中から自分で滑りたい部分を選び編曲に関わったので、思い入れのあるプログラムになっています。悲恋の物語ですが、最後まで強い気持ちで滑れるように、盛り上がって終わる編曲にしています」

――振付はデイビッド・ウィルソン氏ですね。

「女性らしさを振り付けに含めていただいていて、柔らかい表現が見所です。プログラム全体を通して流れのある滑りを出来るなと感じていますし、ワンシーズン練習しているので、来季の初めから仕上がりの良い状態でお見せ出来るよう頑張っています」

――昨年9月にブライアン・オーサーコーチの元へ移籍を決めました。トロント・クリケットクラブの第一印象はいかがでしたか。 

「なぜか初めて行く緊張する場所ではなく、慣れている温かい場所という印象を受けました。トップ選手の皆さんが滑っている映像は見ていたので『ああホンモノだ!』という気持ちと、日差しの入ってくるリンクの雰囲気が良くて、この場所好きだなあ、と。その感覚は大切にしたいと思いました」

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Koichi Tanoue

0

0

0

前記事 次記事