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【連続インタビュー】伊藤大海&北山亘基が語る日本野球の“師”による教え「ちゃんと深掘りしてくれる」「数値で管理された世界では起きないこと」《ファイターズWエース》

2026/03/05
北山亘基 / 伊藤大海
重圧に耐え、反撃をしのぎ、世界一に輝いた道程はいま再び決戦に挑む剛腕たちに何をもたらしたのか。北の大地で躍動するエースと気鋭の右腕がこの3年、師と仰ぐ超一流から学び取った、絆と継承の物語――。(原題:[連続インタビュー(2)]伊藤大海&北山亘基「我以外、皆、我が師」)

 いまをときめく沢村賞投手が恥ずかしい思いをしたのは3年前の冬のことである。

「サプリメント、なに摂ってるんですか」

 伊藤大は気安く訊いたつもりだった。

 場所はアメリカ・サンディエゴ。

 新人から2年連続で10勝を挙げ、北海道日本ハムファイターズの次代のエースとして期待されるなか、さらなる飛躍を期して2023年の正月早々、海をわたっていた。

 日本ハムのかつての大黒柱である、パドレスのダルビッシュ有から練習に誘われたのである。北海道出身の伊藤は少年の頃、札幌ドームに通い、マウンドで躍動するその姿に魅了され、投手を志すようになった。プロ入り後、いつか話を聞かせてほしいと懇願し、ついにチャンスが巡ってきたのだ。

 それでも、伊藤は舞い上がることもなく、ひそかに期していたことがあった。

 とにかく見る。それは伊藤にとって一緒に汗を流すことよりも大切なことだった。投球練習を間近で見学した。打者を抑えるために重視するデータの見方も教わった。ダルビッシュは自宅にも招いてくれた。

 そして、愕然とした。

 テーブルの上には一面に立錐の余地もないほどのサプリメントが並べられていた。伊藤はわが身を省みて、気がねのない問いかけは浅はかだったと気づいた。

「とにかく丁寧なんです。トレーニングにしても、キャッチボールにしても、一つひとつに無駄がありませんでした」

鶴岡慎也が北海道新聞に綴ったこと

 '23年は11歳年上のダルビッシュの洗練された生き方に触れただけでなく、世界一となったWBCによって、かつてないほどに濃密なものとなった。伊藤もまた、あのアメリカとの決勝にダルビッシュとともにリリーフで投げたのだ。

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photograph by Keiji Ishikawa

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