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【WBC】「きっしゃんのことは…」坂本誠志郎が語る日本代表“3/4”捕手枠争いと石井大智、そして日の丸を背負う恐怖「32歳で怖さを感じるのは、ある意味で幸せ」

2026/03/07
昨秋の宮崎合宿に呼ばれた捕手4人のうち、WBCに選ばれたのは3人だけ。落選した1人の無念を背負い、残された同志たちはマスクをかぶる。阪神を2度の優勝に導いた扇の要が、その胸中を明かした。(原題:[捕手枠争いの結末]坂本誠志郎「3/4の重みを噛みしめて」)

 それは寒気にも似た感覚だった。

 1月中旬の某日。スマートフォンが鳴った。耳から脳に吉報が伝達される間、坂本誠志郎は身震いする自分をありのまま受け入れた。

「なんかゾワッとしたんです。一気に背中から……。怖さを感じたのだと思います。『やった! 選ばれた!』みたいな無邪気な喜びは一切ありませんでした」

 阪神を2年ぶりのセ・リーグ優勝に導いた直後の昨年10月、プロ10年目にして初めて侍ジャパントップチームから声がかかった。11月の宮崎強化合宿、東京ドームでの韓国2連戦を終えた頃にはもう、WBC捕手枠争いの上位につけていた。

 テレビ番組や壇上、会見では事あるごとに「世界一になりたい」と前のめりな言葉を発信した。一方で、胸の奥底でうごめく本心にも実は薄々気づいていた。

「ずっと『なんなんやろ、この気持ち』と違和感を抱えていたんですけど、山川さんのコメントを見て、『あっ自分の本音はこれだったのかも』と理解しました」

 ソフトバンク主砲の山川穂高は昨年12月、契約更改後の会見中にWBCへの本音をさらけ出していた。

「出るのは怖いです」

 共感した。しばらくして、そんな自分はおこがましかったのだと自戒した。

「山川さんはWBCに出たことがあるから、日の丸を背負う本当の怖さを知っている。でも僕はまだ何も知りませんからね。それに、もし仮に選ばれていなかったら、絶対に悔しくて仕方がなかったはずなので……」

 4カ月前、宮崎強化合宿に集結した捕手は4人いた。WBCの捕手枠は3人。底抜けに明るいムードメーカー、巨人・岸田行倫がメンバーから脱落した。

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photograph by Hideki Sugiyama

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