#1139
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「あ、俺やらかしたな」山本由伸と宮城大弥、オリ投手コーチが語るWBC“後悔”の瞬間と“成長”の実感「由伸のすごいところは…」「大弥はマイペースな子なので」
2026/03/06
ワールドシリーズで快投を見せた名門のエースは“日本のエース”として、2度目のWBCを迎える。その背中を追う後輩は、もがきながらも力を伸ばし、不完全燃焼に終わった3年前の悔しさを晴らす。(原題:[投手コーチから見た成長]山本由伸&宮城大弥「あの頃とは異なる立場で」)
「あ、俺やらかしたな」
山本由伸が失った大きな1点を、厚澤和幸はブルペンから悔恨の念で見つめていた。
山本でも打たれるのか。山本が打たれたら仕方ない。はたからはそう見えたかもしれないが、ブルペン担当コーチにとっては痛恨の“ミス”だった。現在オリックスで投手コーチを務める厚澤はそう回顧する。
3年前のWBCで、優勝への一番の試練となったのは準決勝のメキシコ戦だった。先発した佐々木朗希が3点を失う重苦しい展開。それでも5回表からマウンドに上がった山本が、無失点投球を続けていた。
すると7回裏、吉田正尚が起死回生の3点本塁打を放ち、一気に3-3と追いついた。選手たちはベンチから飛び出して歓喜し、佐々木は泣いて安堵した。その興奮に自身も飲まれていたと、厚澤は省みる。
「同点に追いついたことに、僕も舞い上がってしまった。あそこで由伸の交代を助言できなかった、あれは僕の失敗でした」
8回表も続投した山本は、1死から立て続けに二塁打を浴びて1点を失い、代わった湯浅京己(あつき)も2死から適時打を打たれ、3-5と再び引き離された。
「ビハインドの状況で回をまたいでいって、いきなり同点に追いつくと、次の回に同じ気持ちで入るのはすごく難しい。だから同点になった瞬間にリリーフを注ぎ込むべきだった。そこでベンチへのアクションを起こせなかったのが反省点でした。シーズン中なら間違いなくスイッチしているはずなのに、あの時はフリーズしてしまった。それでもう1イニング、由伸に背負わせてしまった。僕が失点させてしまったんです」
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