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《独占インタビュー》「一夜にして生まれ変わった」トム・ホーバス代表HCが明かす河村勇輝が“点取り屋”マインドを見せた試合、そして語学力「普通に英語で話ができたよ」
2025/03/08

やはり、指揮官はアメリカでの躍動をつぶさにチェックしていた。河村のプレーの第一印象から、劇的な成長過程を饒舌に語る。そして話題はパリ五輪、さらには3年後に控えたロス五輪にまで広がった。(原題:[日本代表HCの驚き]トム・ホーバス「一夜にして生まれ変わったようだった」)
――コーチ、今日は日本のバスケットボールの歴史に大きなインパクトを与えている河村勇輝について、たっぷりお話をうかがいます。
トム・ホーバス(TH) 勇輝のことを話せるのは、とてもうれしいことだよ。
――最初に、彼のプレーを見たのはいつですか。
TH 2022年2月の日本代表強化合宿の時かな。合宿の前から、スタッフが「河村はすごい。期待できる」と話していたけど、残念なことにその時は足首を捻挫していて満足にプレーできなかった。判断は先送りになったけど、6月の合宿の時には持ち味を十分に見せてくれた。

――代表デビューは'22年7月3日、ワールドカップ(W杯)アジア地区予選のチャイニーズ・タイペイ戦でした。
TH 覚えています。まず、勇輝が力を発揮したのはディフェンスだった。スティール、スティール、またスティール。守りからチームを盛り上げてくれました。
――第1Qはベンチでしたが、第2Qでは頭からプレーしたんですよね。
TH 試合の流れを変えてくれたんです。フルコートプレッシャーをかけると、勇輝は相手を混乱に陥れることができた。そのインテンシティ、強度の高さは素晴らしく、その結果として相手のポイントガードに圧力をかけられた。この試合の働きを見て、勇輝を戦術に組み入れることができると考えたわけです。
スタッツに影響した日本の「先輩・後輩」関係とは?
――この試合のスタッツはとても興味深いものがあります。8アシストに5スティール。リバウンドも3本あるのに、得点はゼロ。しかもシュートを1本も打っていません。打つのを躊躇していたんですかね。

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photograph by Getty Images
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