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[鬼コーチ対談]エディー・ジョーンズ×トム・ホーバス「日本人よ、“悪魔”を解き放て!」

2021/10/24
左からトム・ホーバス、エディー・ジョーンズ
日本のラグビーとバスケットボールの歴史において不滅の金字塔を打ち立てた、2人の名将の豪華対談が実現。彼らの信念と知識と経験に基づく言葉のやり取りには、日本のスポーツがより高みへと進むための学びがあった。

エディー・ジョーンズ(EJ) 今日はお話しできるのを楽しみにしていました。オリンピックでの成功、おめでとうございます。フィジカルで劣る日本が、あれだけの戦いを見せたことは本当にファンタスティックでした。それに、男子代表ヘッドコーチの就任が決まったそうですね。

トム・ホーバス(TH) そうなんです。私はチャレンジが好きなんです。「男子をコーチした経験がないじゃないか」という声も聞こえてきますが、そんなの関係ない(笑)。バスケットボールはバスケットボールであり、コーチングとは人間との関係性を築くことに変わりはありませんから。

EJ その通りですね。競技は変わらないし、人間を成長させるプロセスも変わりませんから。

――どうやらこの対談に、司会は必要なさそうですね。

EJ まあ、そう言わずに(笑)。いろいろ調べてみると、トムが選手たちに「信念」を植えつけていたことが分かってきました。なぜ、日本があれだけの結果を残せたのか、トムの哲学を一刻も早く聞きたくて。

TH 高さとフィジカルで劣る日本が勝つにはどうすればいいのか? どの国よりも準備をし、どの国よりも練習をする。これに尽きます。2015年のW杯で南アフリカを倒したエディーさんも同じ考えではないですか?

EJ まったく同感です。我々独自のスタイルを構築し、それを実行するために前例のない長期合宿を行ったことで、あの結果が生まれたのです。

――早朝5時からのフィジカルトレーニング、通称「ヘッドスタート」も当時話題になりました。それまでの日本にはない発想でしたから。

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photograph by Takeo Chikatsu(illustration)

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