現役生活に終わりを告げるホイッスルが鳴り、万雷の拍手が響くなか、2人の愛児を抱いて涙した。クラブのレジェンドとなった40歳のラストシーン。(原題:[引退試合ドキュメント]「ハセベ!」の大歓声に包まれて)
サッカーと誠実に向き合ってきたご褒美なのだろうか。5月18日、長谷部誠は現役最終戦をホームで迎えることができた。
キックオフは15時半なのだが、昼過ぎの時点で街中には長谷部のユニフォームや記念Tシャツを着たファンの姿が目立つ。この日は初夏とは思えない寒さだったが、彼らの大半は上着も羽織らずにスタジアムへ向かう。引退試合のためにチョイスしたアイテムを見せびらかすように。
「ハセベ、君は僕のお気に入りの選手だ」
スタンドの最前列に陣取った少年がスターへのメッセージを掲げていた。
フランクフルトの選手たちも引退する長谷部とローデ、2人の姿がプリントされたTシャツを着用してウォーミングアップを行う。そのなかで長谷部は、過去の所属クラブ、出場したW杯の大会などが印字された特注スパイクを履いて汗を流していた。
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photograph by Itaru Chiba