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【独占告白】「最後のスイーパーに迷いは…」大谷翔平が初めて語る2023年WBC決勝の怖さと“まさかの”舞台裏「僕が監督でもそうなる、と」《インタビュー中編》

2025/12/25
 ワールドシリーズ連覇を果たし、メジャー8年目を終えた。二刀流挑戦も再び軌道に乗り、その表情は明るく見える。そして、出場を表明した2026年3月のWBCでは連覇を狙う。11月末、栄光の記憶と将来の展望をじっくりと語った。
 スペシャルインタビューは3本立てで構成。ピッチャーとしての今季を振り返った前編、パッターとしての技術論を語った後編も合わせてお楽しみください(原題:[スペシャルインタビュー]大谷翔平「ワールドシリーズの喜びとWBCの怖さと」)。


――以前、ピッチャーはバッターと違って緊張すると話していました。それが第7戦では3ランを打たれたとはいえ、緊張せず、自然に試合に入れたというのはメンタルの成長と考えることもできるんでしょうか。

「メンタルの成長というより、慣れなのかな。必ずしも緊張しないのがいいわけではないと思うので……何事もバランスが大事かなと思います。緊張というなら、WBCの最後が今までで一番、緊張しましたね」

――えっ、WBCって、2023年の?

「あのWBCの決勝で最後に投げた経験がワールドシリーズで活きたということもあったと思いますし、逆にやらない経験というか、一発目だということが活きることもあります。やっぱり何事もバランスが大事なのかなと思います」

――WBCの決勝、アメリカとの最終回のマウンドは緊張したんですか。

「それこそ準決のメキシコ戦も、そこまでの過程も、全部、自分次第で壊せちゃうわけですから……家族も、野球ファンも、それこそ日本の人たちが全員、見ていましたし、それをあの1イニングで僕がぶち壊せてしまう。その緊張感はありましたね」

――決勝はどの段階で緊張したんですか。ゲーム前なのか……最終回に投げることはゲーム前からわかっていましたよね。

「いやぁ、あんまり(笑)。その日(決勝)に行けるのか行けないのか、まずチームに伝えなければならなかったので、僕もダルさん(ダルビッシュ有)もチームとコンタクトを取って、1イニングなら大丈夫だと思います、というコミュニケーションを取りました。ただ、DHで出ていたので打つほうで代わるわけにはいきませんし、どこで投げるのかはわかりませんでした。ルール上、ピッチャーとしてリリーフで出たらDHには戻れなくなるので、打順の兼ね合いや外野を守らなきゃならなくなる可能性を考えると、たぶん、投げるのは試合の最後のほうだろうなとは思っていました」

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photograph by Nanae Suzuki

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