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【バスケットボール】河村勇輝が考える勝利のカギは「主導権」…W杯後にフィジカルも強化《成長した姿でパリ五輪に挑む》

日本の若き司令塔が迎える初の五輪、初戦では昨年W杯で苦杯を舐めた優勝国・ドイツと激突する苦しい組に入った。それでも自信は揺らがない。持ち前の圧倒的なスピードに加え、1年間磨き続けた武器があるからだ。(原題:[W杯で見えた課題]河村勇輝「世界を見据えたフィジカルで」)

 どんな時もクールな表情を崩さない。しかし、胸の奥の炎は高く舞い上がり、たくさんの火の粉を散らしている。バスケットボール男子日本代表のPG河村勇輝はこう語る。

「パリ五輪はキャリアの中で一つの大きな目標の舞台。日本代表として責任ある立場にいると思っています。チームとしての目標はベスト8です」

 2021年東京五輪の時は東海大学2年生だった。テレビで見た日本の試合は3戦全敗。そのうち2試合は20点差以上という悔しい内容で、河村も自分のことのように歯噛みした。そして誓った。

「パリ五輪には自分も出る」

 '21年は開催国枠での出場だったが、パリ五輪に行くには予選で勝って出場権を獲得することが必要で、そのための舞台が昨年のW杯だった。河村はこのW杯が世界大会デビュー戦。大会前、東京五輪を知る富樫勇樹や比江島慎から「アジアと世界との戦いはまったく違う。一瞬でも気を抜けばやられてしまう世界だ」と伝授されていた通りの肌感覚を味わいながら戦い、日本は見事にパリ五輪切符を手にした。会場の沖縄から日本全国に広がっていった熱量はすさまじく、河村も気持ちの高ぶりを感じた。

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photograph by AFLO

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