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【パリ五輪】「カギは国内組の細谷と…」サッカー男子日本代表は“負の歴史”を超えられるか?《OA枠なしの過去2回はGS敗退》

2024/07/25
エース細谷(左)と鋭いクロスを送る右サイドバックの関根大輝。柏でプレーする2人のホットラインにも期待
一部海外組も、オーバーエイジ枠のメンバー招集も叶わなかった。果たして彼らは、アトランタ、北京での前例を覆せるか。逆境を乗り越える大岩ジャパンの強みとは。(原題:[OA枠なしでの挑戦]サッカー男子日本代表「負の歴史を越えていけ」)

五輪招集にはクラブとのタフな交渉が必要。

 何がどうなるか、フタを開けてみなければわからない。それが現代の五輪におけるサッカー競技の現実だ。

 24歳以上のオーバーエイジ(OA)枠を含めた最強軍の編成が極めて難しい。五輪は国際サッカー連盟(FIFA)の定める国際試合期間外のため、各協会のメンバー招集には強制力がない。したがって、招集したければ、各選手が所属するクラブとのタフな交渉が必須となる。

 今回、本大会のメンバー登録の締め切りが1週間後に迫った時点でも、日本サッカー協会は実際に誰を招集できるか不透明だったという。交渉は難航し、希望していたOA枠選手の招集は叶わなかった。23歳以下の選手たちだけで戦うのは2008年北京五輪以来、4大会ぶりのことだ。

 招集できなかったのはOA枠の選手だけではない。23歳以下に該当する久保建英に加えて、今夏に移籍する可能性があるとされたエース格の鈴木唯人やGKの鈴木彩艶らの欧州組、さらにFC東京に在籍していたMF松木玖生も同様の理由で招集を断念せざるを得なかった。

 ひと昔前とは違い、いまや多くの若者たちが五輪の前に欧州へ渡り、活躍する時代である。若い世代に欧州組が増えれば増えるほど、この先も今回のような厳しい事態に直面することになるだろう。

 ただ、本大会の最終メンバーに欧州組を1人も呼べなかったわけではない。攻守の柱となる藤田譲瑠チマと山本理仁の中盤ペアのみならず、アタック陣の切り札となる斉藤光毅と三戸舜介も揃ってパリ行きのリストに名を連ねた。

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photograph by Getty Images

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