#1067
巻頭特集

記事を
ブックマークする

[白熱討論]中村憲剛×北條聡「最強布陣の未来予想図を語ろう」

2023/01/25
カタールW杯でベスト8の壁を越えられなかった日本代表は、果たして進化しているのか。選手の特徴や戦術を熟知するふたりが、「森保ジャパン」の現状と今後について語り合った。

北條 対談のテーマは大きく2つ。1つは日本代表の現在地、もう1つが未来予想図。まずは、カタールW杯における収穫と課題から話を進めていきたいと思います。

中村 総括ですね。先に収穫から。従来の組織力という強みに加えて、個の力が伴いつつあると感じました。

北條 やはり先立つモノは人材。その充実が好結果を呼び込む伏線だったと。

中村 何よりも、選手たちの対応力が光りました。急に布陣や戦い方が変わっても、一人ひとりが森保一監督の企図を汲み取って、素早く適応し、ドイツ戦やスペイン戦で相手を上回る力を見せてくれました。

北條 ぶっつけ本番でありながら、チームとして機能していましたね。

中村 絶えず自分たちの頭で考え、アクションを起こし、ゲームの流れを持ってくる。森保監督は4年間におよぶ強化の過程で、そうした主体性を選手たちに求めてきました。それが本番で生きたのかなと。

北條 急きょ5バックに変更しても、選手各々が密に対話を重ね、従来とは異なるパズルを完成させました。

中村 4バック時の基本コンセプトである前からのプレッシングや後ろからのビルドアップを、5バックに形が変わっても迷わず試みていましたし、瞬間的な局面で相手を上回ったからこそ点が取れた。

北條 瞬間的に、という点がミソで。

中村 スペイン戦のボール保持率は17%。そこまで低い数値で勝ったチームはW杯史上初めてみたいですからね。

北條 従来の布陣や戦い方に急きょメスを入れ、しっかり守って勝ったという意味では、2010年の南アフリカW杯の日本代表と似ていますね。

全ての写真を見る -2枚-
会員になると続きをお読みいただけます。
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
キャンペーン終了まで時間
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Miki Sano

0

0

0

前記事 次記事