1 値上げに駅閉鎖、交通網はどうなる?
取材、観戦合わせてオリンピックにはこれまで7度行ったけれど、観戦チケットを持っていれば公共交通機関は無料ってのは「常識」だと思っていた。アトランタ、シドニー、バンクーバーは少なくともタダでしたよ。長野では取られましたけど。
どうやら、パリも当初はそのつもりだったらしい。世界の皆さん、メトロもバスもチケットがあれば無料! ところが予想通りというか、白紙撤回! 観戦切符があっても交通費は取られることになったのでした。
オリンピックを前に、観光者向けの交通ICカード「Pass Paris 2024」が発売されたが、この値段設定がなかなか強気。1日乗り放題が16ユーロ(約2700円)、1週間乗り放題券が70ユーロ(約1万2000円)。ちなみに現行の1週間乗り放題券は30ユーロだから倍以上の値上げ。うーむ、なかなかシビアだ。
そして会場準備と警備のために大会期間中はメトロの17駅が閉鎖されている。メトロ1号線(路線図黄色。私はラグビーW杯の期間中、勝手に「銀座線」と命名)のコンコルド駅や、私が大好きな6号線(路線図で薄緑。「南北線」と私は呼ぶが、古びた感じが良い)のパッシー駅も含まれており、パリ版の「乗換案内」を駆使しないと、かなり不便なことになりそう。スポンサー企業のゲストを乗せたバスは、スイスイとパリ市内を移動していくだろうけど。
つまり、オリンピックの開催は市民生活の犠牲の上に成り立つというわけです。これだと今後なかなか立候補都市は出てきませんよね。さて、パリの交通騒動、オリパラが終わってから、どんな影響を及ぼすでしょうか。
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