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《大谷翔平の「課題」も指摘》“ドジャース野球”を体現する打撃コーチ2人のバッティング論とは?「本塁に少しでも近づくために」

2024/06/28
大谷翔平らのヘルメット
上位から下位まで、実績のある打者が揃うドジャース。しかし、常勝チームが選手に求める水準は非常に高い。それは大谷であろうと例外なく、指導が入るのだ。(原題:[打撃コーチを直撃]ドジャースで求められる打撃とは)

「新しいチームに来て新しい打線に入っているので、あまり自分の状態を気にしている余裕が今のところない」

 開幕から約1カ月、4月のナショナルズ戦の際に大谷翔平はこう話していた。

 新しいチーム、新しい打線。

「ドジャース1年生」の大谷翔平は日々勉強中だ。

 ドジャースは11年連続でプレーオフに進出しているが、ワールドシリーズ制覇は2020年の一度のみに留まっている。

「私は負けるのが大嫌いだ」

 2016年から指揮を執るデーブ・ロバーツ監督の口調は穏やかだが、目の奥は笑っていない。これはチームの総意だろう。

「勝つため」「1点を絞り出すため」に毎日高い水準のプレーを選手に要求する。

 それがドジャース野球だ。

ドジャースを率いて9年目のロバーツ監督 Hiroaki Yamaguchi
ドジャースを率いて9年目のロバーツ監督 Hiroaki Yamaguchi

 当然ながら大谷にもそれが求められる。首脳陣がダグアウトで大谷に熱心に話しかける光景を頻繁に見かけるが、ロバーツ監督もその一人だ。

「選手からその特性を奪うことはないが」

 そう前置きしてロバーツ監督は続ける。

「プレーオフの経験がなかったり、そういう状況からしばらく離れていると、一つひとつのプレーが雑になることがある。3ボールからボール球が来たら、振らずに四球を選ぶ。二塁走者の時に外野の深いところへフライが飛んだら、しっかり三塁へタッチアップする。得点するため、本塁に少しでも近づくために何をしなければならないか、理解しながらプレーしてほしいんだ」

打っても「結果オーライ」にしないのがドジャース野球。

 エンゼルスでは大谷のプレーに対して監督やコーチから指導が入ることはなく、言葉は悪いが「放任主義」のように見えた。

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photograph by Hiroaki Yamaguchi

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