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(初出:Number1026号 Analyze Makoto in depth(2)戦術的な役割 Tactics 攻守に替えのきかない勝ち点10を持つ選手。名波浩=解説)
とにかく、すごい。現在の長谷部は、その一語に尽きると思う。
37歳。この期に及んでプレーの幅や視野がさらに広がったわけではない。言うなれば、ベテランなりの落ち着きとパッションとのバランスがうまく取れている。
今季のフランクフルトを見ても、そんな長谷部の立ち回りに周りの選手たちが引っ張られているという感じ。チームを勝たせるための道筋をつけられる存在だと思う。だから、ベンチも外せない。
4月の頭に累積警告で出場停止となるまで、5人交代制でも、ずっとピッチに立ってきた。おそらく、長谷部はフル出場する計算で身体をつくっていると思う。現在も普段のトレーニングでは、若い選手たちと一緒にすべてのメューをこなしているんじゃないかな。
スピード感あるゲームで際立つ長谷部の冷静さと情熱。
近年のブンデスリーガは攻守を問わず、休みがない。インテンシティー(プレーの強度)の高さという点ではイングランドのプレミアリーグと双璧だと思う。
![効果的なドリブルが魅力のユネス](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/b/f/1600wm/img_bf155550854173369ae2a1149916d0f1240117.jpg)
ボールの動きが速く、パスの距離も長いから、ハイテンポでダイナミック。意図のあるロングボールやサイドチェンジが飛び交い、ワイドに構えるスピード豊かなアタッカーを生かしながらゴール前へどんどん行くよ、というゲームが多い。
そうした状況下で長谷部の冷静さと情熱が際立っている。遠藤航(シュツットガルト)もそうだけれど、クリーンにボールを奪い、すかさずボールを前につける。だから相手は遊べないし、休めない。技術もさることながら、情報処理能力のスピード、認知と判断のレベルが高い。
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